第3話 比べられっ子

昔から比べられて生きていた


「あの子は出来るのに」

何度も言われてきた

「簡単なことも出来ないの?」

同じクラスの子と比べられた


簡単なんて人それぞれじゃんか


『出来損ない』

こんな言葉が似合っていた


出来損ないでも頑張って努力はしたんだ

したけど届かなかった


「この成績は何?ほんと勉強してるの?」

「勉強は……」


させてくれないのに

天才の子だったら違うのかな

比べられて生きてきたもんだから

自己肯定感のない劣等感の塊が生まれてしまった


昔、顔が妹と外見がそっくりだと言われ

間違えられたこともあった

そんな話も『とっくの昔の話』だ


「何でこんなに可愛くないのかしら?」


確かに妹は可愛くて

いつも親の後ろにくっついて離れなかった

今はそんなことはない


昔は父親に似てると言われたが

歳を取るに連れて母親に似てきた


「自分は可愛くない」

「あんな母親に似たくなかったのに」


不細工な顔

出来損ないな頭

何も取り柄の無い


周りから見た自分はどうなんだろう


きっと『めんどくさいやつだ』って思われてるんだろうな






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