第2話 普通ってなんだろう

『親が障害者である』ことも

『親から虐待を受ける』ことも


それ自身が『当たり前な世界』で生きてきた


母親の機嫌が悪くなると

いつも殴られて蹴られて

挙句の果てには追い出されたり

包丁まで出してきたりした


それが『我が家の当たり前』だった


それが続いたせいか

母親の機嫌を敏感に察知するようになって

『良い子』を演じることも多くなった


外でいっぱい友達と遊びたいのに

いっぱい勉強をして良い学校に進学したかったのに

家族で良い思い出を沢山作りたかったのに

いつか結婚をして子どもを作って

孫の顔を見せれるようになりたかったのに


それが出来なかった

出来なくなっていった


『普通じゃなかったから』


母親に殺されかけた

友達も作れずいじめを受けた

家庭が崩壊して家族バラバラになった

彼氏彼女なんて作れるはずもなかった


『普通じゃない』


周りにそう突きつけられた時

ずっと考えていた


『普通ってなんだろう』


自分が知ってる『普通』は


家があって両親がいて

ご飯を用意して待っていてくれて

温かいご飯と温かいお風呂があって

大きい布団かベッドで寝れて

毎日何か怖がる必要も無い


そんな『普通』なんて日常に無かった


生きるために毎日必死になるなんて

ほとんどの人はないと思う


それが『当たり前』だった

それが『普通』だった


もう一度問おう

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