あの子に光は届かない

蓮見藍菜

プロローグ

第1話 誕生

『家庭』と言われたら何を思い浮かべるだろうか?


家があって両親がいて

ご飯を用意して待っていてくれて

温かいご飯と温かいお風呂があって

大きい布団かベッドで寝れて


そんなのを思いつくかもしれない


『親』について言われたら何を思い浮かべるだろうか?


お父さんは仕事人だけど

休みの日には遊びに連れて行ってくれるかもしれない

お母さんは家の事をやってくれて

宿題やテストのことで口うるさいのかもしれない

両働きなら

仕事をしてくれている中で

愛情を持って接してくれているかもしれないし

お仕事の合間をぬって子どもに愛情を注いでくれるかもしれない

たまには夫婦喧嘩を見させられたりするけど

すぐに仲直りして何事もなかったようになるかもしれない


それが一般社会において『普通』と言われる部類だと思う


けど

そうじゃなかった


自分は

『両親が障害者』で

『子どもに暴力を振るう』環境で育ってしまった


純粋だった小さい時の自分は

それが環境が『普通』だと思っていたんだ

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