物語


私に口があったのなら

彼に何と問いかけようか


私に動く手があったのなら

あの子の何処を掴もうか


私に頑丈な足があったのなら

崩れる貴方を背負えるだろうか


物言わぬ私は

朝焼けを見て

夕焼けを見て

登る満月を眺めて

ただ、おかしいと思うだけ

この世は変だと思うだけ

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