第4話 幻帝

家があった場所には、大量の瓦礫とそばには人だかりが、

群衆の真ん中で何人か横たわっている、嫌な予感がした


近づくと、皆が道を開けてくれる

真ん中には、目を閉じて横たわる両親と、泣きながらすがりつく少女、


涙をこらえながら周囲の人に状況を尋ねる


妹をかばって、飛び散ったブレスをもろに受けたらしい


受けてすぐは、まだ意識もあったらしい


白龍と話していないですぐに戻ってきていれば、


後悔で押しつぶされそうになった時ふと気づいた

上位龍、上級魔物のブレスを受け止めたにしてはきれいすぎる


両親の加護Lvはどちらも5、上位龍のブレスを防ぐだけの能力はない

まさか、、あの子が、、、


慌てて周りの人に尋ねる

「あの、あの子の加護Lvの測定って?」


「ああ、そう言えば明日の予定だったね」


まだ誰も、あの子の加護Lvを知らない


「[解析眼]簡易解析」


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ルレナ Lv8


ー加護Lv9ー


---------------------------------------


兄妹そろって魔導士の道か、、

どうするべきか悩んでいると、


「おい、どーした?」

「終わったのかよ?」


「妹の加護LvがLv9でした、このまま連れて行ってもいいですかね?」


「ご両親とは話したのか?」

静かに首を横に振る


「そうか、、」


「だが、5歳の子に何の準備もないまま王都まで旅をさせるのか?」


「いえ、幻魔に乗せていきます」                                                                      


「そーいやお前幻魔持ちだったな」 

     

「ですので、先に帰らせてもらいます」


「そっか気をつけろよー」




泣いている妹に話しかける


「ルレナ、、」


驚いた様子で振り向くルレナに語りかける


「私はレヴィア、幻夢魔導士団のものです、、」


ルレナは静かに頷く


「あなたは高位の加護を持っているので幻夢魔導士団に入ることになります。」


「必要なものをまとめて、出発の準備をしてください」


涙を流しながら頷く


彼女が準備をしている間に両親の遺体を無限にしまう。


ルレナは両親のしていた指輪を紐に通して首にかけただけで何も持たずにやってきた


妹を乗せる幻魔を召喚する


「『契約により我が魔力と引き換えに顕現せよ』召喚 幻帝無限魔龍 ネインストス」


巨大な魔方陣が現れ膨大な魔力がバチバチと音を立てる

光を放ち音が消え時は止まり空間がゆがむ


光はやみ歪みは直り、止まった時が動き出す


気づいた時には目の前に灰色の鱗を持った巨大な龍が、

先ほど街を襲った龍とは比べ物にならないほどの圧倒的な魔力


「久しぶりだな、レヴィアよ」その声で空気がびりびりと震えた


「妹を王都のそばまで送っていただきたくて、、、」


「移動役として我を呼ぶのは貴様くらいだ」


飛び去る龍を見送った人々は茫然としていた、ネフィストスが直接作り出したとされる神龍を

いま、目の前で、一人の少年が召喚して見せたのである


レヴィアを知るものは成長を喜んでいた。

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