第3話

連休。心踊る響きだ。

俺は今、数年前にできた大型ショッピングモールに来ている。連休を謳歌するために。


ボッチ?そ、そんなんじゃないし。


映画を観て、いくつかのショップを周った後ちょっと奮発してお高いカフェで休憩していると、すごく可愛い子が入口付近で立ち止まった。ぱっちりとした目元、オシャレに編み込まれた髪、シンプルな白のトップスと赤と黒のチェック柄のスカート。カバンも服との色合いを考えてあるのだろう。まさに可愛いと言う言葉しか出てこない。


おそらく待ち合わせをしているのでだろう。左手のあたりとスマホをチラチラ見ている。

彼氏とか?あんなに可愛い子に彼氏がいないわけがない。彼氏だろうな〜。

俺も彼女欲しい…。


迂闊にも俺はステータス画面を見てしまた。


――――――――

名前:石井雄司

性別:男

身体能力:C

――――――――


「ゴホ!?」

思わず咽せた。

俺は性別を何回も見た。しかし何度見ても性別は変わらない。

あれで、男…。あんなに可愛いのに。


「ゆうちゃん!」

衝撃の事実に俺が呆然としているうちに、彼女?の待ち合わせ相手がやってきた。

「かなくん!」

彼女?が嬉しそうに相手イケメンに笑いかけた。

俺は、先程の衝撃が抜けきらず、再び迂闊にもステータス画面を見てしまった。


――――――――

名前:柴野加奈恵

性別:女

身体能力:C

――――――――


咽せた(二度目)。

まさかの男女逆転。口元のホクロがセクシーな色気のあるイケメンが、まさかの男装女子だった。


二度目の衝撃を受けているうちに、男女逆転カップルは映画館の方へ歩いて行った。

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