第114話 自家発電ではない
もし俺が二人の女性らしい柔らかな身体を意識してしまっているとバレてしまったらどうなるか、水が高い場所から低い場所へと流れるように容易に想像できる為俺は目的地に着くまで蛇の生殺し状態が続くのであった。
◆
しかし、なんで女性の身体は同じ人間だというのにこんなにも柔らかいのだろう。
ようやっと目的地に着いたのは良いのだが、やっと解放された俺はまったく関係ない事を考えて耐え凌ぐ事をする必要が無くなった為、本能に任せてそんな事を考えてしまう。
どうせ帰りも似たような地獄が始まる可能性もあるのだ。
発散できる時に発散しないとストレスで爆発して『どうなっても良いやっ』と欲望のままに行動してしまいそうなのでここぞとばかりに思い出しす事により、あの時我慢して溜まっていたストレスをガス抜きをする。
ちなみにガス抜きと言っても自家発電ではないのでそこは間違えないでほしい。
しかしながらガス抜きをした所で逆に美女二人の身体の感触を思い出して悶々とし始めるので無限地獄に囚われてしまったような感覚だ。
「どうしたのですか? 祐也様。 体調が優れないのでしたらバスで横になってますか? 私もお供しますのでもし本当に体調が優れないのであれば遠慮なさらずに私に申してください。 膝枕から頭なでなでに子守唄もしてあげますよ?」
「……いや、大丈夫だ。 少し考え事をしていただけで体調が悪いとかいう訳ではないからな。 でも心配してくれてありがとう、美咲」
そんな悶々とした俺を見て具合が悪いと思ったのか美咲が心配そうに俺へ声をかけてくれる。
そして美咲が提示した介抱の内容を聞き、かなり魅力的な提案だとぐらつきかけたのだが、それではせっかく蛍を見に来たというのに美咲は俺のせいで蛍を見ることができなくなるという事なのでここはグッと堪え、その代わりに美咲の頭を撫でてあげて感謝の言葉をかけてあげる。
「わ、私も当然心配したのだけれども? 一応、その、ほら? これでも婚約者ですから」
「そうか、彩音もありがとうな」
そんな俺達を見て彩音も俺のことを心配してい他のだと言いながら寄ってくるのだが、心なしか彩音の頭が俺が撫でやすいようにほんの少しだけ傾いているような気がするので、俺はその流れで彩音にも感謝の言葉を言って美咲を撫でていない方の手で頭を撫でてやる。
そして今俺の目の前には、俺に撫でられながら幸せそうな顔をして擦り寄ってくる美女二人がいるわけで。
なんだろう……猫みたいだ。
「わ、私も撫でても良いんだけどっ!? い、一応少しは心配してたしねっ!!」
そしてい自分だけされてないのが仲間はずれにされていると思ったのであろう。 莉音までそんな事を言ってくるではないか。
実は俺、体調が悪いのではなくて性欲を持て余していましたなどと言えるわけもなく、少しだけ罪悪感を感じながらも二人を撫で終えた後に莉音も撫でてやる。
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