第50話 判決

「畜生……誰か……助けてくれ……っ!」


 誰だよコイツッ!? なんで俺がこんな知らない奴に刺されないといけないんだよっ!?


 しかもコイツはまだ俺の事を刺し足りないのか俺の方へ何かを呟きながらゆっくりと近づいて来るではないか。


 だというのに俺の足はこんな時だというのに腰を抜かしてしまったからなのかいう事をきかず、しかも視界もボヤけてくるではないか。


「捕まえた……」

「あぎゃぁぁぁあああっ!?」


 そして俺は床を這うように逃げようとしたのだが、それではやはり遅く、簡単に追いつかれてしまい背中に激痛が走る。


「嫌だ……俺はここで死にたくない……っ」

「は? 死にたくない? ニュース見たよ。 何人もの女性を襲っていたようね。 その複数もの女性には自殺した人もいるでしょう。 何人もの女性の人生を奪っておいて自分だけは救われたいだなんて虫が良すぎるんじゃないの? ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ? そこのところどう思ってんの? それにしても今のSNSって便利ね。 今アンタの住所拡散しまくられてるから、私のような女性がさらに来るんじゃないの? あ? 噂をすればチャイムが鳴ってるよ? お前を殺しに来たんじゃないの?」


 そして女性は何かを楽しそうに説明しながらケラケラと俺の背中に跨った状態で笑い出す。


 俺は今まで行ってきた行為は、俺が思っていた以上に罪深い事だったと今更ながらに気付かされたと同時に俺は逃げるのを諦め、そこで記憶が途切れるのであった。




 最初に件の男性の家へと侵入した時に感じたのは鉄の錆びたような臭いであった。


 その臭いに俺達や、救急隊達は間に合わなかったという事と、最悪の事態を想定する。


 そしてリビングに向かうと血まみれで倒れる男性と、その男性に跨る女性がおり、彼女の手には包丁が握られていた。




「生きてた……」


 目が覚めると見知らぬ天井だという、陳腐なことを思ってしまうのだが、そんな事よりも生きているという嬉しさが込み上げてくる。


「……あれ?」


 しかしながら次に感じた事は、胸より下の感覚が無く、足を動かそうとしても動かないという事である。


「……は?」


 そして、次に感じたのは俺の腕の細さであった。


 鍛え抜かれた俺の腕の面影は無く、骨と皮、そして少しの脂肪だけがある非力な腕が俺の視界に映る。


「どうなってんだよ……っ!?」


 その後俺が目を覚ましたという事で主治医がきた後簡単な説明をされるのだが、どうやらあれから二年の月日が経っている事、背中への一撃で下半身(胸から下)は一生動かせない可能性が高い事、そして俺が目覚めたという事でこれから精神鑑定が行われた後に俺の裁判を行われる事を教えられるのであった。




この更に二年後、俺は『強姦件数、類を見ず突出。 よって無期懲役』の判決を下されるのであった。




────────────


未成年でもここまで重たい刑になった原因は西條家の力によってなんやかんやで財力と権力であーだこーだですっ!!w 何卒w (*^_^*)




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