第38話 アイツはクズなんだと私は再認識する


 なのでまずはこのイキリ腐った自称国体三位君の後ろで隠れている金魚の糞を速攻で料理する事にする。


 料理の仕方はいたって簡単。

 

 この身体になってからも定期的に続けていたトレーニング込みのキックボクシングのお陰で維持できた身体と体幹、今までの西條祐也の知識や記憶や経験その他諸々のお陰で再現できるプロ顔負けの初速と低い姿勢から繰り出すボディーにより一発で沈める。


「は?」


 そして俺の素人ならぬ動きに驚愕している自称国体三位君が慌てて体制を整えようとしているのが見えたため、その前にローキックで相手の左太腿へ喰らわした後に、痛みに戸惑っているその間に即座にインローを同じく左太腿へと喰らわす。


 本気で倒しにきたインローの痛みはエグいよな? それも下半身の痛みには慣れてない人にとっては特に。


「う、うるぁあっ!!」

「不意打ちならまだしも、そんな特攻じみた攻撃が当たる訳ねーだろ」


 そして自称国体三位君は気でも狂ったのか一発逆転を狙った大ぶりの攻撃をしてこようとするのだが勿論通用する筈なく、そのまま鳩尾に蹴りを入れてやるとダウンしてしまうではないか。


 パニクった時に大ぶりになる癖があるから三位だったんだろうなとか思いつつも、勿論それだけで終わらすはずも無い。


「やめてくれっ!! 俺たちが悪かったっ!! だから、お願いだからもうやめてくれっ!! 頼むから腕だけはっ!!」

「そう言われてもな、六百万に加えて美咲をくれって言った事を忘れたのか? だったらお前のその腕を折って高校生活の部活動は休んで貰うくらいのリスクを背負って襲って貰わないと、襲われた俺の方が納得いくわけないよなぁっ!?」





「やめてくれっ!! 俺たちが悪かったっ!! だから、お願いだからもうやめてくれっ!!」

「そう言われてもな、六百万に加えて美咲をくれって言った事を忘れたのか? だったらお前のその腕を折って高校生活の部活動は休んで貰うくらいのリスクを背負って襲って貰わないと、襲われた俺の方が納得いくわけないよなぁっ!?」


 今日はいつもと違って終ホームが終わってから一直線に迎えの車まで向かわずに校舎裏へと向かっている西條祐也の姿が目に入ったので気付かれないように尾行するのだが(ここ最近つけているのでどの道尾行はするのだが)私の目に映った光景は西條祐也が三人の生徒を暴力で傷みつけているところであった。


 しかも西條祐也はボクシングの国体で三位になった生徒の腕を折ろうとしているではないか。


 やっぱり、アイツはクズなんだと私は再認識する。

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