夜の散歩は8ビートで

 最近、夜の散歩を始めた。

 夜と言っても夕食後、時刻にして七時台には歩き始める。まずイヤホンで音楽を聴きながら出発して、帰り道の最後の方だけ音楽を聴かずに歩くのがお決まりのパターンだ。交通安全のため、音量は下げておく。

 そもそもは夕食後に甘いものを食べ過ぎないための対策として考えたものだ。ただ、夜歩くのは元々好きだし、歩く時間で音楽も聴けるので、趣味の時間としても楽しんでいる。


 散歩は、いい。

 ちょうどいい運動になるし、何より頭がよく働く。でも激しい興奮はなく、天気のいい日の水面みたいに静かで透き通った気分でいられる。

 歩きながら忘れてた予定を思い出したり、いいアイデアを閃くことがある。それどころか、心の奥底にあった思い出や本音がフッと浮かんで見えることもあるのだ。

 最近は瞑想が注目されているが、座るよりも歩く方が精神統一できる人も多いんじゃなかろうか。ちなみに私は作業も読書もせずに座っているとすぐ動きたくなってダメでした。

 最後の方で音楽を切って歩くのも、あえて音楽のない時間で深く考えたり瞑想したりするためだ。


 お気に入りの散歩道は、近所の川沿いの歩道だ。

 車やバイクが入って来ないから比較的安全だし、川沿いには公園や街路樹も多いので、なんとなくのどかな感じがする。何より夜は暗く静かなので落ち着くのだ。

 木の葉や雑草の香り。街灯を反射して輝く川面。その中をたゆたう水鳥。正面から感じる風の感触。流れる川や風に揺れる草木の音、あるいはイヤホンから流れる音楽。それらが五感へのいい刺激になって、いろいろな考えが浮かぶ。

 小学生の頃に木登りした公園、こんな匂いがしたなァ……。そういえば、祖父母は元気だろうか……。今聴いてる曲はアレンジが面白いけど、何を歌ってるんだろう……。


 ちなみに、最近はデヴィッド・ボウイのアルバムをファーストから順に毎日一枚ずつ聴いている。長く歩く日は二枚になることもあるが。今日は六枚目の「アラジン・セイン」を聴いてきました。

 単純にボウイが好きなのと、夏休み期間の八月からブログで展開する予定の「デヴィッド・ボウイ特集(仮)」に備えて聴き直しているのだ。

 ついでに言うと、デヴィッド・ボウイのスタジオアルバムは、生前のリリースだけでも二十八枚ある。さっき六枚目と言ったが、少なくともあと二十二枚。三週間はかかる計算だね。イヤー……楽しみだけど先が長い……。

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