第27話 アマリアの観察日記②
アレクが転生して12年経った。
その原因ともなったアルタイル星の猫人アマリアだが、彼女は最近とても忙しく、異世界に送り込んだアレクの状況を観察する余裕など全く無かったようだ。
「あーもう!忙しい!!なんで私ばっかり仕事が増えるのさ!!」
そう愚痴を言いながらもアマリアはポリポリとポテチを食べる。
地球に来てコーラとポテチにハマったアマリアは最近になって腹部が少し丸みを帯び、顔もツヤツヤというよりもテカテカとしていた。
そしてそんなアマリアは最近ハマった食べ物を出し始める。
「ふふーん♪やっと癒しの時間だわー」
アマリアが保存用のボックスから取り出したものは
パラッパパーン!
「チョコアイスー!」
パカっ(蓋をあける音)
「えへへ♪おいしー♪」
でっかいチョコアイスを取り出し、スプーンでペロペロと舐め始めるアマリア。
地球より何百年も進化した知的生命体である猫型宇宙人のアマリアも最近やや語彙が退化しており、それに伴って残念な言動も多いようだ。
またアマリアは最近やけに忙しいと言っているのだが、ちゃんと原因はある。
アマリアは日本の文化を理解したいと言いながらも実はその仕事の内容のほとんどが食べ物、映画やゲーム、漫画などにハマっただけであった。
それを上司にバレてしまいこっ酷く説教されてしまい、以降、上司の直接指導のもと現地視察も書類作成や報告も上司の指示にしたがって仕事することになり、結果忙しくなっただけのこと。
しかしアマリアは食べたい物を我慢することも出来ずに仕事の合間に時間をつくってはコーラやポテチ、ピザやラーメン、アイスなどに手を出して食指を延ばすのであった。
体型の変化は当然、いや必然の結果である。
そんなアマリアは久しぶりの休日とあって久方ぶりの自由を満喫していた。
「あ、そういえばあの少年どうなったかしら」
すっかり忘れていたアマリアは久しぶりにアレクの異世界生活を観察する。
「へー、魔法だけじゃなく剣もつかえるんだ」
チョコアイスを食べながらポテチに手を伸ばすアマリア。
「だいぶ強くなってるねー、やっぱり異世界って面白いわ。環境が変わると皆強くなるなんてねえ。なんでだろー」
アイリーンとの出会いで気絶するアレクを見て笑い転げるアマリア。
「うけるわー、叱られてるし、でも可愛い子と婚約できてよかったねー♡婚約者破棄されないように頑張ってほしいものねー」
なんで異世界モノって婚約破棄ばかりしてのかしら。あんなに婚約破棄ばかりしたら王族も貴族もメンツ丸潰れだろうにとアマリアは語り出す。
「ま、現実はそんなわけないんだろうけど」
そう言ってアマリアはアイスを食べる。
続いてアレクが学園に行ってから魔法の鑑定や体力テストでの出来事を見た。
「ふーん、やっぱり剣と魔法の世界って凄いわね。これならあの
アマリアのいう
アマリアたちも一応ながら地球においては警備の仕事も担当しており、怪しい宇宙人を乗せたUFOや爬虫類型宇宙人のUFOを発見した場合は即座に本部に報告する義務がある。
「まあ、あの星もだいぶ大昔に爬虫類型宇宙人に滅ぼされたんだったよね」
アレクの転生先は太古に滅ぼされた星だった。もしアレクに知れたらそんなところに勝手に転生させないでほしいと思ったことだろう。
ま、いっか
無責任な猫型宇宙人は日本で最も日に日に有名な猫型ロボットの体型に近づいている。
そのうち「どら焼き」にもハマるに違いない。
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