-22- 4人の真昼

昌彦には、久しぶりに女友達に会うと言ってある。裕太も連れて行くと言っているし、昌彦が真夏にとやかく言うことはなかった。


「あ!ナンパのお兄さんだ!」

裕太が、レストランで大星を見つけて、大声をあげた。

「本当、この子どうにかしてくんない!あれ、冗談だからな!」

と、大星が困ったような笑顔になった。

「真夏ー。久しぶり!」

「ユウナ!」

2人はハグをした。裕太は、真夏の脚につかまっている。

「お腹の中にいた時しか知らないから。大きくなったねー。」

3人は、色々な話で盛り上がった。裕太は、お子様ランチに夢中になっていた。裕太は、滅多に外食はしないので、いつもと違う環境が特別で嬉しいようだった。真夏は、あまり喋る方ではなかったが、数年間の間に話題がたまっていて、珍しくよく喋ってユウナと大星を驚かせた。


そして、裕太がデザートのクリームソーダをつつき出した頃、大星がふと言った。

「乃木ユウナって、高校の頃、加藤のこと好きだったんだよ。」

「え?」

「フラれた時に、カミングアウトされた。今は、彼氏がいるらしいけど。」

「そうだったんだ。」

「私、真夏ですごい嫌な妄想とかしてたから。高校生って、怖いねー。」

「あはは。」

(私は、やっぱり、大星とユウナが好きだ。)

と、真夏は感じた。

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