-20- 走馬灯

それから、色々なことがあった。

大星は、結局ユウナにフラれた。ユウナは、

「なんで、真夏と付き合わないの!真夏がかわいそうだよ。」

と、大星の告白を断ったそうだ。ユウナは、一人でいることが多い割に、色々な生徒の事情を知っているようだった。


高校3年生で真夏は妊娠し、優秀だったが大学には進学せずに、昌彦と結婚をした。高校の先生方は、あまり真夏をよく思っていないようだった。でも、もう、真夏は気にならなかった。高校には大星とユウナがいたし、真面目に勉強も掃除もする真夏は、自然にクラスの子達から信頼されるようになっていた。席替えをしても、クラス替えをしても、大星とユウナとの友人関係は続いていった。妊娠したことを、真夏は家族と昌彦以外に、ユウナにしか言えなかった。

「そうなんだ!私は言いふらさないし、大丈夫だよ。お腹の子に優しくね。」

と、ユウナは手編みのおくるみをくれた。ユウナが編み物を好きだと、真夏は全く知らなかった。受験が落ち着いたら、編み物を教えてもらおうと、真夏は思った。


高校を卒業して、裕太が生まれ、真夏は母親になった。

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