-12- 電話
家に帰って、真夏は自分の部屋で、昌彦にLINEをした。
「お仕事お疲れ様です。空いている時に、電話を下さい。」
真夏は緊張していた。学校の宿題も、手に付かなかった。
「真夏ー。お風呂入りなさーい。」
「先入っちゃってー。」
母親の大声に返事をした。何も出来ずに、部屋の中を行ったり来たりしていた。時間が永遠に感じられた。すると、ブーッ、ブーッと、スマホが鳴った。
「もしもし。加藤です。」
「もしもし。安西です。どうした?」
昌彦の声はいつも優しい。加藤は、その声に泣き出してしまった。
「学校で呼び出されたんです。」
「赤点?勉強なら、教えられるよ。」
「…そうじゃなくて。先生が、危ない人じゃないかって。私たち、生徒の誰かに見られてたんです。」
「…。」
「先生にとって、私って、どういう存在なんですか?」
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