第9話 ドラゴン再び

 放課後、莉愛に連行されてスイーツを奢らされるハメになった。


 まあ、それはいいんだ。アロネのご機嫌も取れて一石二鳥だからさ。


 でもまさかタピオカミルクティだとは思わないじゃん!? しかもキッチンカー! たまに店舗のサイドメニューとかでは見るけど、専門の露店が生き残ってるとは思わなかった。何年前に流行った遺物だよ、これ。


 二人分のタピオカミルクティを買った俺たちは、公園のベンチへと腰を下ろした。


 昨日アロネと話した児童公園とはまるで規模が違う、県内でも有数の広さを誇る森林公園の端っこだ。正面は芝の絨毯が広がっており、背後は新緑溢れる散歩道になっている。平日の夕方とあってか人影は少ないものの、休日には憩いを求める人々でごった返すことだろう。


「ぷっはぁ~。美味しい! やっぱり青空の下で飲むタピオカは一味違いますねぇ」


「お前はおっさんか」


 オヤジ臭いJKとか創作の中だけの存在だと思ってたわ。


 とはいえ俺にとっては何気に初めてのタピオカドリンクだ。果たしてお味は……うん、普通にミルクティだね! ただタピオカの食感が新鮮だ。白玉団子に似てるのかな? ストローの直径が異様にデカいのは、ドリンクとタピオカを一緒に飲むためなんだろうけど……下手したら喉に詰まらせて死ぬな、コレ。


 不思議な感触に目を白黒させているアロネに話しかけるわけにもいかないので、俺は早々に本題を切り出した。


「なんつーか、その……ごめん」


 莉愛の方を真正面から見据えて、俺は素直な気持ちを口にした。


 事情があったとはいえ、彼女に対して蔑ろな態度を取ったのは事実だ。個人的には謝罪とタピオカで釣り合いは取れていると思うが、ここは腹を割って話し合いたい。こんなことで莉愛との関係が拗れるのはイヤだ。


 そのまま返事を待っていると、莉愛は意外にも控えめな声で呟いた。


「別に怒ってるわけじゃないよ。ただ既読すら付かなかったのが癇に障っただけ。ほら、体調不良の矢頭君ですら『今日はログインできそうにない』って返ってきたのにさ。スマホ一切見れない状況とか、尚更ナイトのことが心配になるじゃん?」


 そういえば今日、矢頭は欠席してたな。体調不良だったのか。


 確かに莉愛の言うことも一理ある。メッセージも見なかったような奴が翌日元気に登校してきたら、心配して損した反動で強く当たってしまうのも仕方ないだろう。だとしても、ちょっと過保護すぎやしませんかね。一日スマホ見なかっただけだぞ?


 ただ莉愛とは長い付き合いだ。態度からして本音が別の所にあることはすぐに分かった。


 察したのも束の間、莉愛は先ほどよりもさらに小さな声で訊ねてきた。


「あのさ、ナイト。もしかして……彼女でもできた?」


「ふぁ!?」


 あまりに予想外すぎる質問に、危うくタピオカを吐き出しそうになっちゃったよ。


「だって急に疎遠になるんだもん。他に女ができたのを疑うのは当然じゃない? ほら、うちらって周りから熟年夫婦みたいに扱われてるじゃん? 心外だけどさ。だから、彼女さんに迷惑かかるのをイヤがって距離を置いてるのかと思ってさ」


「いや、彼女とかそういう話じゃないんだが……」


 動揺しつつも、チラッとアロネの方を一瞥する。


 新しい女ができたって意味ならその通りかもしれないけど、別に恋人とかではないしなぁ。どちらかと言えば庇護対象? つーかこの年齢差はさすがに犯罪臭がする。


「違うの? このタピオカミルクティも、盃を返す意味合いがあったんだけど」


「それは明らかにおかしい」


 まず俺はお前と盃を交わした覚えはない。盃をタピオカで代用しようとするそのセンスはどうかと思う。盃を返すのは子分から親分に対してだし、だからって俺はお前の子分じゃない。そして仮に彼女ができたとしても、俺は莉愛と縁を切るつもりなど毛頭ない……って、ああああああああツッコミどころ多すぎんだろ!!


「本当に? 彼女ができたわけじゃない?」


「断じて違う。そういうのじゃないよ」


「そっか」


 心の底から安心したように、莉愛が長い息を吐いた。


 なんだコイツ。なんでこんなに安堵してるんだ? はっ、まさか俺のこと……。


「それはない」


「ですよねー」


 知ってた速報。あまりに当たり前すぎてショックすら受けなかった。


 だって、俺の好みのタイプはついつい護ってあげたくなるような女の子だし。対する莉愛の理想は自分を守ってくれそうな男性なのだから。


 数直線上で言ったら、お互い背を向けて真逆の理想像を夢見ているようなもの。はっきり言ってお互い眼中にない。二人の恋愛対象先が混じり合うことは絶対にないのだ。ま、だからこそ男女間の友情が成立してるんだろうけど。


「安心したのは弟に先を越されたかと思ってたからだよ。ほら、うち彼氏できたことないし」


「お前の理想なんてそうそう現れねえよ。あと俺は弟じゃねえ」


 見てくれは悪くないはずなのに、如何せん理想が高すぎる。未だに白馬に乗った王子様に憧れてるくらいだからなぁ。


 俺に浮いた話がないことを知るやいなや、莉愛が態度を一変させてきた。


「で? 彼女ができたわけじゃないんなら、なんでライン無視するのさぁ。おばさんにスマホ取り上げられたってわけでもなさそうだし」


「ああ、話すよ。約束だったしな」


 莉愛が元に戻ってくれて一安心だ。ま、今からしなきゃいけない話の内容は、また別の意味で緊張しなきゃならんのだけど。


「実は……」


 と、その時だった。


 最初にそれを見た瞬間、特に危機感は抱かなかった。ただ、あんな所にあんな大きな物体、さっきまであったっけ? という疑問が浮かんだだけだ。


 頭の片隅で生まれた疑問は、やがて違和感となって脳内に警鐘を鳴らす。


 目にした瞬間から二秒か三秒ほど経過して、ようやくそれが何なのか理解できた。


 約五十メートルほど前方。芝の上に……イースドラゴン!


「なっ!?」


 灼熱色に煌めく巨体は、すでに口内に炎を蓄えていた。


 大技、ファイアブレスを放つ前動作だ!


「くそっ!」


「へ?」


 イースドラゴンがファイアブレスを吐き出した瞬間、俺は隣にいる莉愛を抱き込んで地面へと転がった。タッチの差でベンチが灼熱の炎に包まれる。危なかった。距離があったのと、ファイアブレスの範囲が狭かったおかげで無事に回避できた。


「ちょ、なになになに!? たった今までお互いに恋愛感情は無いよねって話してたのに、何いきなり発情しちゃってるわけ!? しかもこんな公衆の面前で!? っていうかタピオカ零れちゃったんですけど!!」


 押し倒された莉愛が珍しく敬語を使って抗議してきた。それだけテンパってる証拠だ。


 けど、こちらには気にしている余裕などない。顔を上げる。翼をはばたかせたイースドラゴンが接近してきた。


『ナイト! 莉愛ちゃんには見えてないから放っといても大丈夫だよ! それよりも早くスマホの電源を切って!』


「分かってる!」


 アロネの助言により、慌ててポケットからスマホを取り出した。


 だがテンパってたのは俺の方だった。画面を見たところで、初めて電源を入れた覚えがないことを思い出した。


「なんで……」


 思考を巡らせている余裕はない。


 低空飛行で一気に距離を詰めたイースドラゴンが、俺の頭上で鉤爪を振り上げた。


「くっ……」


 莉愛の上から飛び退いた俺は芝生の上を転がった。間一髪の回避。大丈夫、イースドラゴンの行動パターンはDNAに刻まれるくらい熟知しているからな。


「なんで電源切ってるのにイースドラゴンが見えてんだよ!?」


『考えられるのは莉愛ちゃんのスマホからだと思う!』


「そういうことか!」


 地面に這いつくばっている状態を利用して、俺は莉愛の前で土下座をした。


「莉愛! 一生のお願いだ! スマホの電源を切ってくれ!」


「は、はあ? 何をいきなり……しかも一生のお願いごとがスマホの電源切れって……」


「早く!」


 俺の鬼気迫る懇願に気圧されたのか、莉愛は渋々スマホを取り出した。


 しかし真っ暗になっているスマホの画面を見せられて、俺は絶望する。


「そういえば学校出てから電源入れてなかったんだけど」


「はあ!?」


 ここは森林公園だぞ? 俺も莉愛もスマホが機能してないのに、どういう理屈でエタファンと通信してるんだ!?


 まさか……。


 こちらからの反撃が無いのをいいことに、イースドラゴンの猛攻は止まらない。


 鉤爪による縦方向の攻撃の次は、尻尾による水平方向の薙ぎ払いが来る。だが動作が緩慢なため、攻撃範囲から退くことは容易だった。


 そのまま周りに注意を向ける。スマホを触っている人間は見当たらない。


 エタファンのアプリをインストールした誰かが近くにいるのだと思ったが……違うのか?


 マズい、息が切れてきた。イースドラゴンの動きを熟知しているとはいえ、ゲームのキャラと違って俺の体力は有限だ。このまま攻撃され続けたら殺されちまうぞ!


『ナイト! それなら逆にスマホの電源を入れて!』


 アロネの判断には、さすがの俺も耳を疑った。


「なんでだよ!? 俺のスマホからも出てくるようになるだろ!?」


『試したいことがあるの! ボクを信じて!』


「了解!」


 この状況でアロネを疑うなんて発想は塵ほども出てこなかった。


 転びそうになりながらも距離を取り、電源ボタンの上に置いた指に力を込める。


 長い。昨日は電源を切るだけの三秒間ですら長いと思っていたのに、入れるとなればさらに長い! ああ、画面に映る企業ロゴが憎らしい!


「あ、ヤバい……」


 スマホに気を取られてて反応が遅れた。イースドラゴンの息に炎が混じり始める。ファイアブレスが来る!


 ダメだ、間に合わない。回避できるタイミングを逃してしまった。


 死を覚悟し、咄嗟に瞼を閉じる。


 灼熱の地獄はすぐにやって来た。想像を絶する温度が全身を焼き尽くす。


 熱い、熱い、熱い、熱いいいいいいいいいいいーーーー!!!!


「……あれ?」


 違和感に気づいたのは、熱風を受け入れてから数秒ほど経過した後だった。


 火炎放射器よりも高温の炎で焼かれ続けているというのに……耐えられている?


 熱いことは熱い。しかし例えるなら、キャンプファイヤーの間近で立っているようなもの。熱気により目は開けられないものの、いくら待っても肌を針で刺す程度の痛みしかやってこない。昨日鉤爪で腕を裂かれた時は、悶絶するほどの痛みが襲ってきたというのに。


 これはいったい……。


 やがて炎が止み、恐る恐る瞼を開ける。


 自分の身体に起こった変化を見て、俺はついつい驚きの声を上げてしまった。


「なんだ、コレ!?」


 見覚えのある鎧が俺の身体を包んでいたのだ。


 白銀のアーマープレート。竜の紋章が施された小手。重厚な見た目よりも軽いレギンス。


 まるで騎士のコスプレじみた身なりだが、俺はこれらの鎧を知っていた。今現在、エタファン内の俺のキャラが装備している防具だ!


『アプリを通して、ナイトのキャラの装備データを引っ張ってきたの。モンスターを消せないなら、戦うしかない!』


「な、なるほど……」


 俺の理解力はギリギリだったが、何とか状況を呑み込めた。


 カレンがエタファンからモンスターのデータを送り付けているように、アロネは俺のキャラデータを俺自身とリンクさせている。そういうことなのだろう。


 スマホをポケットにしまうと、俺の両手に馴染みある剣と盾が現れた。これで幾分かは対抗できるかもしれないが……混乱している頭でも、それは不可能だということは分かる。


「俺のレベルじゃ、一人でイースドラゴンなんて倒せないぞ!」


 そもそもの話、先日は五人で一体を狩ってレベル上げをしていたのだ。ソロに向いているナイトであっても、今のレベル差ではイースドラゴンを一人で倒すなんて不可能に近い。耐久に優れているとはいえ、圧倒的に火力が足りないのだ。


 つまり牽制しつつ逃げるのが最良か?


 だがアロネは否定した。


『ううん、大丈夫。データを弄ってナイトのキャラをレベル一〇〇に上げたから』


「はいぃ!?」


 ゲーム廃人でも三年はかかると言われているレベルマックスを一瞬で? まさかハッキングしたのか? 普通にチートじゃねえか! BANされるぞ!?


『カモフラージュしてるから問題ないよ』


 ああそうか。アロネは今まで異世界人の存在すら隠匿してたくらいだもんな。


 イースドラゴンによる鉤爪の攻撃を盾で受ける。痛みも衝撃もまったくない。


 思い起こせば、さっきのファイアブレスもそうだった。ナイトは全ジョブの中で最も高い防御力を誇るとはいえ、決してダメージを受けないわけではない。タンク役として活躍できるのは、あくまでも回復魔法による自己回復で立て直しが効くからだ。


 それすらも必要ないなんて……えっ、今の俺ってマジでレベル一〇〇なの? 最強じゃん。


 急に自信が漲ってきた。


 ライトソードを握りしめ、ゲームと同じようにモンスターへと斬りかかる。


「うおおおおお!!」


 派手な斬撃エフェクトと共に、赤い数字がイースドラゴンの頭の上で跳ねた。


 その数値、なんと『725』! おいおい、戦士のスキルアタック《剣斬無双けんざんむそう》の倍近いダメージが出ちまったぞ!


 そのままイースドラゴンの反撃を盾で防御しつつ、俺は連撃を加えていく。


 おそらくもう一押し。といったところで、その前に試してみたいことがあった。ナイトがレベル八〇で覚える最後の魔法だ。


 アロネがエタファンと通信してくれているおかげか、魔法の使い方は自然と理解できた。


 イースドラゴンから距離を取り、頭の中で《魔法》のコマンドを選択する。


「《皇帝の聖剣インペリアル・ホーリーアロー》!」


 宣言するのと同時に、イースドラゴンの周りに六本の白い剣が出現した。


 ナイトがレベル五〇で覚える聖属性魔法、《ホーリー》。その効果を凝縮した六本の剣が一斉にイースドラゴンへと突き刺さる。通常の魔法と同様、聖属性の爆発でダメージを与える《ホーリー》を、モンスターの内側から発動させる……という設定の魔法だ。


 残りの体力が少なかったこともあってか、内側から白い光を発したイースドラゴンは、そのまま倒れて動かなくなってしまった。


「おっしゃ!」


 イケる、イケるぞ! これならスマホからモンスターが出てきても対処できる!


 命の危機を脱したためか、柄にもなく無邪気にはしゃいでしまう。隣で可視化しているアロネも安堵しているようだし、俺も羞恥心をかなぐり捨てて舞い上がっていたのだが……すぐに思い出した。


 この場にいるのは俺たちだけではない。


「えーっと。ナイト? 今のは……何?」


「――ッ!?」


 ドン引きした莉愛の声が背中に突き刺さった。


 やっべぇ。なんて説明しよう。というか今の一連の出来事、莉愛にはどんな風に見えていたんだ? なんせ俺以外にはアロネもイースドラゴンも鎧も視えていないのだ。誰もいない空間に話しかけ、虚空を相手に一人パントマイムをやってる俺が映っていたに違いない。


 ……考えれば考えるほど死にたくなってきたんだが?


「あー、えーっと……これはだな……」


『ダメだよ、ナイト。目を逸らしちゃダメ』


「?」


 現実から目を背けるように大空を仰ぐと、アロネに怒られてしまった。


 隣を見れば、顔色を青くしているアロネが目に入る。そして彼女の視線の先へと目を向けたところで……戦慄した。


「なんだよ……アレ……」


 五十メートル先。イースドラゴンが現れた辺りに、無数のモンスターが並んでいた。


 ドラゴン、オーク、デビルアイ、ラミア、ゴブリン、巨人族。エタファンの中でもマップ全域に生息している種族のモンスターたちが勢ぞろいだ。


 しかし違和感を覚えた。大まかな姿形はエタファンの恒常モンスターなのに、どいつもこいつもテクスチャの色がおかしかったり、見たことのない特徴を有している。なんだコイツら、本当にエタファンのモンスターなのか?


 まさかカレンがデータを弄って新たなモンスターを作り出したとか?


 その可能性は、群れの中にいた一種類の怪物によって否定された。


 周りとは明らかに雰囲気が違う、漆黒のオーラを纏った二足歩行のモンスター。


 インフィニティ・デーモン。


 北の大地にある魔王城にしか生息していないモンスターだ。未だ適正レベルに到達していないため、俺は一度も魔王城に足を踏み入れたことがない。けど、その姿は攻略サイトや動画などで見たことはあった。


 ってことは、あそこに並んでいるのは魔王城に配置されているモンスターなのか!?


「アロネ。先に訊いておくけど、アロネのチートでアイツらを消せたりはできないよな?」


『ゲームの中じゃないと無理だよ。それにカレンの息がかかったモンスターにボクの能力が効くかどうかは保証できない』


「じゃあ俺のステータスをカンストさせることは?」


『できる。けど、数値がオーバーフローしちゃうから、それ以上は物理的に不可能だ』


「ならカンストさせたステータスでアイツらに勝てると思うか?」


『無理だよ、あの数は』


「分かった」


 決断は早かった。だって俺が選べる行動なんて一つしかないのだから。


 莉愛の手を取って踵を返す。


「ひゃ!? なになに今度は何ですか!?」


「逃げるんだよ!」


「何から!?」


 俺にとっては『どこへ』って感じだけどな!


 奴らがどこまで追って来られるのか分からないため、まずは距離を稼ぐことに専念する。


 背後の散歩道をひたすらまっすぐ走る。ただ二百メートルほど進んだところで、すぐに気づいた。モンスターたちが追ってきていない?


 警戒しながら足を止める。


 もちろん油断はできない。俺のスマホも電源が入ったままだし、いつこっちから出てきてもおかしくはないのだから。


「電源、切った方がいいかな?」


『ううん、今は大丈夫だと思う。そのままにしといて』


「……?」


 何かに恐れ戦いているのがはっきり伝わってくるほど、アロネの声は震えていた。見れば、先ほどよりもさらに顔色が青くなっている。


「……どうした?」


「どうしたって訊きたいのは、うちの方なんですけどねぇ」


 仁王立ちする莉愛を前にし、顔からサッと血の気が引いていった。きっとアロネに引け劣らず顔が青ざめているに違いない。こめかみにうっすら青筋を立ててる莉愛なんて、モンスターみたいなもんだしな。むしろ距離があった分、あっちの方が可愛いかったわ!


「さあ、きっちり説明してもらおうかしら?」


「……はい」


 もう後戻りはできそうにない。

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