第13話:虐待が子供を壊す ③-1
これは子供の例だが、大人も例外ではない。
特に、周囲との交流が少ない人や住み慣れた地元から進学・就職・結婚・転勤などで住み慣れた土地から自分の知らない土地に引っ越して住んでいる人など自分が知っている環境ではない場所で暮らすことは何かあったときに繋がる相手がいないため、自分でストレスや悩みを抱えやすくなる事に繋がる。
そのため、自分で全てのことを抱え込んで、自分で自分の首を絞めてしまう可能性があるのだ。
現在は人と人との接触機会は以前に比べると増加してきたが、その一方で社会からの孤立が以前に比べると進みやすくなっている印象が強く、人との対面でのつながりも以前に比べるとかなり少なくなっている。
その状況下で最も求められるのは“早期に兆候を掴むこと”だろう。
なぜなら、異変を感じている人は日常のやり取りからSOSのサインを発している場合もあるため、相手の異変などの怪しい兆候というのは文章や絵文字の使い方などに表れやすくなっているし、ふとした言葉選びからも現状が読み取れる場合もある。
しかし、気をつけなくてはいけないのは返信の頻度が下がることや返ってくる言葉が少なくなるもしくは一語文が多くなると相手は“相手に察されないように返信しておかなくてはいけない”という精神状態になり、その事に対して義務化心理が働きやすくなる可能性も否定出来ないのだ。
そして、大人の場合は子供と異なり、人間関係の構築範囲が広くかつ社会的立場が上の人から下の人まで幅広く関わらなくてはいけないため、これらが次第に日常の一部として認識され、本人の中で日常的な行動・価値観の1つとして習慣化することや職業上の習慣になってしまうと子供たちにも同じ事を求める、自分の方の立場があなたより上である事を繰り返し子供たちに意思表示することで“親は自分たちよりも立場が上”ということを子供たちに認知させて、同じ事を繰り返さないように教育の一環としてしつけをしているという認識を持っている可能性やストレスの発散の場所がないから子供に当たることでストレスを発散している場合もある。
そういう行為は子供たちが成長し、大人の立場に立つ時まで真意が分からない事も多い。
そのため、母から子へ、子から孫へと連鎖的な虐待行為が本人たちの認識の中で正当化されてしまい、悲劇が繰り返されてしまう事になる事もあり得るのだ。
これは大人だけの問題でもないし、子供だけの問題でもない。
ただ、この問題は長期間にわたって問題視されているが、この問題における抜本的な対策が進まないことや虐待に対する認識が不十分という社会的課題も多く存在している。
私はこれらの問題を解決する為にさまざまな法改正や対策などを実施して進めてきたが、問題は良い方向には進んでいないように感じる。
特に母親などに対する社会からの視線や子供に対する周囲の視線などにおいて相互理解が進まず、以前から改善傾向が見られない状況が続いている。
なぜ、虐待は減らないのか NOTTI @masa_notti
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