第12話:虐待が子供を壊す ③
このような背景にあるのが、“子供たちを立派に1人前に育てなくてはいけない”という使命感だろう。
現在は地域によっては子供たちの進路における選択肢が複数ある地域も多く、家庭の経済状況が許す限り自由な選択をすることが可能となっている。
しかし、これらの選択肢を選ばせてくれる家庭とそうではない家庭があるという事を小耳に挟んだが、本当なのだろうか?
私はこの話は十分にあり得る話だと思っている。
その理由として、親が持っている教育観と地域における教育観のミスマッチや世間体を含めた個人感情が子供に対して積算する形で作用する可能性が潜在的に起きていると推測されるような事例もある。
そうなると、子供たちは自分で選択をするのではなく、両親が子供の進路選択に対して干渉するという可能性があり、子供の意思ではなく、親の意思で子供の進路が決まってしまう可能性があるのだ。
実際にはこのようなケースは表面化しにくい事例も多いが、本人の意思で進学している場合にはこれに限らない。
ただ、本人の意思で進学したとしても一定の成績を取れないと「何でこんなに成績が悪い!」や「これじゃこの学校に行かせている意味がない」などといって子供たちの努力を否定してしまうことや「これくらい出来て当たり前だ!」という自分画学生の時と同等の評価を子供にしてしまうなど子供たちの成長を阻害するようなことを避けないといけないのだが、やられすぎてしまうと今度は子供たちが学習に対してトラウマを持つことや勉強しても成績が上がらなくなるなど子供が持っている本来の能力を発揮することが難しくなる。
そして、最も恐いのは“私たちの理想の子供”というレッテルを貼りたいがために自分の子供に自分の理想を押しつけてしまうことや必要以上に束縛することで子供たちに自由な隙を与えないように監視するなど周囲に対して悪い印象を与えないようにすることや自分たちの言うことを聞く子供に育てることで親が満足してしまうという子供の精神発達に悪影響を与えている事に気が付かない虐待も増加傾向にある。
そういう減らせる虐待を減らさないと子供たちが壊れていく可能性も十分に考えられる。
子供の時に1度壊れてしまった心はなかなか元に戻すことは難しく、大人になって壊れた心よりも治療が難しくなるだけでなく、長期記憶として残ってしまうため、どのような訓練をしたとしても心の傷と脳の傷を全て取り除くことは難しい。
そのため、大人がよかれと思ってやったことが子供たちの成長を妨げるだけでなく、子供の自尊心など自立に必要な領域の発達・成長に大きな影響を与えることになってしまうのだ。
このような精神発達の遅れが子供たちの価値観形成や自己判断など子供たちが相手から求められる事に対して適切な判断が出来なくなるだけでなく、子供たちの孤立を助長させる危険性を秘めている。
その結果、子供たちが集団に属することが難しくなる、周囲とのコミュニケーションが取れなくなるなど子供がコミュニティや社会から孤立してから周囲が異変に気が付くという状態になってしまう。
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