第9話 複雑、ドロドロした夫婦関係。

(さてさてあのひと、健太さんは、テレビに出演をしてみないかと私が訊ねたら何て言ってくるのかしら?)と。


 相変わらず考える人へと変化している最中の彩ではあるのだが。


 う~ん、実はね。彩自身も今でこそ彼、健太に対して不満こそない状態、どころか?


 彩自身が産んだ子達九人を彼は大変に良く可愛がり世話を、面倒の方を良く見てくれる優しい彼、健太だから。


 彩は彼氏の健太の事が愛おしくてやまない。


 できれば彩自身も、このまま健太と仲慎ましく暮らし。老後……。



 彩自身が他界をしても健太とは同じ墓に入りたいと心から思う。願うほど愛しいと思う彼ではあるのだが。


 でも、彩自身は結婚当初三年間ぐらいは彼の事を今のように愛していたのだが。その後の数年間……。


 そう、彩の最初の子供である翔太が産まれる前後の一年間ぐらいは彼、健太……。彩の正真正銘の夫だった筈の健太の事が憎くて仕方がない状態……。


 もう、それこそ? 彩自身が夫健太と早く別れ、離別、離婚……。


(この世からあんな男。健太など今直ぐ他界をしていなくなればいいのに……)


(そうだ! 私があの男の首を絞め殺そうか?)、

(う~ん、それとも、寝ているところを首を絞め。窒息死をさせてやろうかしら?)と。


 自身の脳裏でお昼の連ドラ、夜のサスペンション劇場並みの犯罪を思案。計画。企ててやろうかしら? と。


 今の彼を、健太のことを憎んでいたのだよ。


 彼女、彩にはね。健太以上に大好きだった彼氏、男、間男様……。


 そう、長男の翔太の実の父である彼氏、間男様の許へといきたい。結婚をしたい。共に寄り添いながら翔太の事を夫婦で仲良く協力をしあって暮らしたいと思う男性がいたのだよ。


 でっ、その男と彩の関係は翔太を産んだ後も、二人の深い関係、夫婦のような関係は、その後も次男の健二と長女の麻耶を産む迄続く。


 まあ、続いたのだよ。


「結婚をしてよ」

「俺未だお金がないから無理だよ」

「じゃ、別れる」

「ちょっと待ってくれ彩。もう少ししたからお金が貯まる。貯蓄ができるから。それまで待ってくれよ」

「うん、わかったは、淳史さん。もう少し待つね」

「ありがとう。彩」

「淳史さん、強く抱いて。そして私のことを愛して、可愛がってよ」

「ああ、分ったよ。彩。ほら、おいで君の火照った身体を慰めてあげるから」と。


 彼の、間男様の淡く、甘い言葉、台詞をお昼の情事で囁いてもらい。聞く。邪、ドロドロとした大人の男女の、豪の深い色艶的な関係を長女が産まれた後の数か月も愚かに続けてしまった。


 そう、と、との妙な三角関係をね。彩の夫となるべく筈の淳史の言葉が虚偽、偽善、嘘偽りだったと気がつくまで続き。


 最後は彩の心奥底に淳史との淡くて甘いお昼の情事の思い出だけ残して、彼女は叶わぬ夢だと諦め。彩自身が心の底から憎いと思う男。間男健太の許へと何とか帰る。帰還を果たす事には成功をしたのだが。


 先程から本来は夫、旦那様と呼ぶべき健太の事を先程から彼氏、あのひとと呼んでいるように彩は未だ彼氏から完全に許しを得ていない状態のようでね。


 まあ、紙切れ一枚の事なのだが、健太から未だに婚姻届けを区役所に提出してもらえない立場でいる何とも言い難い様子の彼女なのだよ。


 そう、九人の子供がいるにも関わらず、彩と健太の関係は只のの関係になるのだよ。


 だから彩の独断でテレビに出演を決める訳にはいかないのだ。


 だって彩は、健太の機嫌を損ねると帰る。帰宅をする家が、住むところも無いし。彩一人の力では九人の子供達を養うだけの生活力は先ずは無い。無理に等しいからね。


 彩が独断でテレビ出演、撮影の剣を了承する事は不可能なのだと。彩と健太のの関係を簡易的に説明をしたところで。


 何で彩と健太の二人が夫婦ではなく。になってしまったのかをこれから説明をしていく事にする。



 ◇



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