第2話 大きな爆弾
あれから数日が経った。
兄さ、じゃなくて姉さんは前に比べてかなりスキンシップが激しくなった、色々な意味で。
胸を当ててきたり、ピーのあたりを触ってきたり、べたべたと体全体を触るようにもなった。
以前よりも接触している時間も増え、一緒にいることも増えた。
正直限界だ、だって身体が女の子なんだもん。
しかも結婚しよ?何てしょっちゅう言ってくる。
だがそんな姉さんは一つの大きな問題に直面している。
ゴールデンウィークで長期の休みだったから良かったものの今日からは学校。
病院では急に性別が変わってしまうTS病と診断されたがクラスの皆からどう見られるのか…不安なのだろう。
昨日は今までの中でも特にスキンシップが多くなっているし凄く甘えてくきた。
「ぎゅってして?」
と言いながら上目遣いで迫ってきたり。
「チューしよ〜!」
と言いながら飛びついてきたり。
本当に大変だった。
寝るときも、
「ぎゅってしててね?じゃなきゃ寝られないから…」
と不安そうな顔で言われると拒否できなかった。
そしてこれから俺達は学校に行く。
「やっぱり行くのやめよ?僕と一緒にお家でイチャイチャしとこ?」
可愛い、だがこのままでは駄目だ、俺の理性が負けてしまう。
学校に行けば姉さんのスキンシップからも逃げられるだろう、ならばどんな手を使ってでも連れて行かなければ!!
「姉さんがちゃんと学校に行けるなら一つだけお願い聞いてあげるから、一緒に手を繋いで行こ?」
「ほんとに?手繋いで行ってくれるの?言うこと聞いてくれるの?」
「もちろん」
「なら行く…」
不安そうに震えている姿も小動物のようでとても可愛かった。
姉さんは女子の制服を着ている、そうスカートだ。
だからだろう、顔は前の兄さんだった頃と変わっていないのにクラスでは変化にすぐ気づかれた。
「あれ、未来(みらい)君女の子の制服にしたの?似合ってていいね!!」
「ほんとだぁ〜、足も細いし私より似合ってない?」
「てか胸のところ膨らんでるような…」
少しアレに気づいている人がいたような気がしないこともないがクラスではすぐに認められた。
驚いたことに誰も姉さんが女の子の制服を着ていることに違和感を抱いていなかった。
「実は僕女の子になっちゃって」
「「「「え!?」」」」
姉さんは自ら告白した、凄い勇気のいる行動だろう。
クラスのみんなも最初は凄く驚いていた。
だがTS病のことについて話すとすぐに納得し、なじんだ。
「へ〜、そんな病気があるんだ〜」
「未来ちゃんって呼ばなきゃね!」
「未来が女に…行けるな…!!」
というより女の子であることが自然すぎて誰も違和感を持てなかったのだ。
おい今変なこと考えたやついただろ!まぁ今はいい。
「良かったな姉さん、みんなが認めてくれて、それにゆうきだして言えて偉い!!」
俺が褒めてあげないとな!
「うん!!」
太陽のようなとても明るい良い笑顔だった。
が、姉さんはもう一つ大きな爆弾を落とした。
「歩は僕のだから誰にも渡さないよ!」
俺は頭を抱えた、どうしてやろうかこいつ。
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