兄さんが姉さんになって彼女になった話

真堂 赤城

第1話 衝撃の告白

「兄さん、そろそろお風呂湧くよ」


「ちょっとそこで待ってて!一緒におりたいから」


「わかった」

 俺達はとても仲のいい兄弟だ、お風呂もご飯も睡眠も、おはようからおやすみまでいつも一緒にいる。

 そして今日もいつも通り一緒にお風呂に入るところだ。


「歩(あゆむ)ちょっとあっち向いててくれる?脱ぐところを見られるの恥ずかしいから」


「何いってんの!いつものことじゃ…ん……」

「て、えええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 今起見たことをありのまま話すぜ?

 何故かいつもと違って恥ずかしがる兄さんの方を見ると兄さんの兄さんがなくなっていた。

 それだけではなく胸には膨らみが出来ておりピーが増えている。


「じ、実は朝起きたら女の子になってた☆」


 前々から思ってはいた、兄さんなのに女の子みたいだなぁ、と。

 小柄だし、華奢だし、髪は長いし、顔も可愛いし、極めつけは裸を見られるの恥ずかしいから温泉には行かないと言っているくらいだ。

 でも昨日までは兄さんの兄さんが股間についていた、一緒に風呂に入ったからそれは確認している。


「そ、そんな訳…」


「それじゃあ…触って見る?」

 手で体を隠しながら顔を真っ赤にして触って見る?と聞いてくるそのポーズと表情、そして言葉でノックアウトされた俺の意識はそこで途切れた。


 どのくらい経ったのだろう、かなり寝ていた気がする。

 それに悪い夢を見ていた気が……。

「あ!ようやく起きたの?おはよう」


「あ、おはよう兄さん」


「も〜、僕は兄さんじゃなくて姉さんだよ?」


「え、夢だったんじゃ…」


「そんなわけないじゃん、あんなことまでしたのに信じてくれないの?」


 あんなことまで…そういえば俺が気絶したのって…。

 はっ。


「ふふふ、顔真っ赤〜!ねぇ、僕が女の子になったからさ、結婚しようよ!」


「い、いやいやいやいや、いくら兄さんが姉さんになったところで兄弟で結婚何てできないよ」


「あれ、歩はまだ知らないの?僕達義理の兄弟だから結婚できるんだよ?」

「だ〜か〜ら〜、結婚しよ♡」


 脳みその限界許容値を超えた情報を一気に流し込まれた俺はまたもや気絶してしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る