第27話 ニンニク・タマネギ
2023年4月初旬。ニンニク苗、タマネギ苗は順調に冬を超えた。追肥も終わった。あとは収穫までのカウントダウンだ。
ただここで、ニンニク苗の中心から先の尖った硬い茎が出ている。何だこれは?
――ニンニクの芽といわれるやつだ。先端の尖りは花が咲く前の花蕾だ。これを放置して花を咲かせてしまうと株が疲れて玉が大きくならないという。
さっそく根元からちょん切る。しかしこれは捨てない、喰える。美味い。ニンニク玉本体にも匹敵するような栄養素がある。食物繊維もなかなかで毎日ウンチもモリモリだ。
タマネギの方はというと、道端の菜園でよく見かけるようなネギ坊主(花芽)は出来てこなかった。低温にあたり続けると発現するというが、これも放っておくとタマネギ玉に硬い芯ができてしまい食感を損なうとのこと。
5月中旬快晴、さあいよいよ収穫か!?
ニンニクの収穫適期は葉っぱが五割ほど黄変し、玉が十分大きく尻が平らになった頃。
タマネギは葉が枯れて倒れる頃と言われる。ただ、タマネギは葉が倒れてからも玉が肥大するため、そこから一週間放置するのがベストのようだ。
よしつ、ニンニクは試し掘りだ。スコップで根っこ回りをぐるりと掘ってみると――オッケー! なかなかいい出来栄えだ。腐り、虫食いもほとんどない。大小入り混じっているが500個は下らない。
タマネギは葉が倒れた後、一週間を経過したものから順に収穫していく。ついでに葉が倒れず、ほぼ枯れ朽ちてしまったものも。
うーむ、タマネギの方は畝によりけり。まん丸こぶし大の玉から鶏卵サイズのひと口サイズまで。どうやらこれは直感的に天候・気候、品種というよりもやはり土(栄養)の問題か!?
大きい玉が採れた畝は、元肥に鶏糞などの有機肥料がメイン。一方、小さいのしか採れなかった畝は虫が湧いてかじられるのを避けるため、元肥からして化成肥料が基本。化成肥料の使い方は追肥では効力を確認できるが、素人が元肥から一貫してやろうとすると難しいものだ。結果、やむ無しか……
しかし、ご近所・親戚縁者に喜んでもらえるくらいの数は収穫できた。もちろん、自分で喰う分量も。これで来年に繋げられるスタミナ源は確保したことで良しとしよう。
おまけ:黒ニンニク作り
ニンニク・タマネギ収穫後、根っこをハサミで切り落とし三日ほど天日で乾燥させ雑菌を落とす。あとは風通しのいい日陰で長期保存できる野菜だ。
さて、ニンニクにおいては土を払って一ヶ月も自然乾燥させると、水分もほどよく飛んで肉料理との合わせでとても風味がいい。肉の臭みも消してくれる。民間療法では風邪ウィルスもやっつけてしまうほどの殺菌力もあるということから、毎日5片ほど生で食していた。
すると――やはり日々下痢のオンパレード。内臓に刺激が強すぎるのだ。しかも翌日の口臭がひどい。
他においしい食べ方はないものか? と思案していたら、「黒ニンニクって身体にいいらしいよ」と畑の大師匠のお義母ちゃん。そこで、レシピを調べてもらい要らない炊飯器で作ってもらっていたのだが、どうも柔らか過ぎたりカチカチに硬かったり出来栄えにバラつきを生じてしまう。
パソコンを叩いて調べるに、レアな家電の取り扱いがあるエムケー精工社の黒ニンニク製造機という優れモノが販売されていることを発見、早速購入してみた。
製造機をスイッチオンにしニンニクそのまんまを放り込んで12日後、店で売られているような立派なものが完成した。正に黒いダイヤだ。やはり炊飯器と比べて出来上がりがいい。味はドライフルーツのニンニク版。生のままよりも発酵・熟成の過程を経ることで栄養分も凝縮されるという。
特筆すべき成分と効果は以下の通り。
アルギニン(アミノ酸…タンパク質の構成要素):疲労回復・成長ホルモン促進
フェニルアラニン(アミノ酸):うつ症状の軽減・記憶力向上
ロイシン(アミノ酸):肝機能向上・ストレス緩和・育毛促進
プロリン(アミノ酸):関節痛改善・脂肪燃焼・美肌効果
S-アリルシステイン(アミノ酸):強力な抗酸化作用
その他、ミネラルやポリフェノールなども生ニンニクと比較し、黒ニンニクの栄養含有量は数倍から十数倍に増量するとのこと。最近では老化防止や癌予防の検証も進んでいるという。
次は黒ラッキョウなるものも作ってみよう。
写真掲載中
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