第21話 木の剪定

 野菜と果物の違いは何だろうか?

 端的に言えば、野菜は単年サイクルの一年草として収穫できるもの。対し、果物は多年木として実を付けるまで数年かかるものを言うらしい。

 そう言えば愚生はいつの間にか果物も栽培していた。柿だ。買ってきた柿をガリっとかじり、種をペッと庭に飛ばしていたら芽が出てきた。それが大きくなり花を咲かせ、実を付けたのだ。

 モモクリ三年カキ八年とはよく言ったものだ。確かに結実するまで八年近くかかっている。結実までこぎつけると上手く作ってやろうと躍起になる。

 しかし、いろいろと栽培方法を調べるうちに、水遣りや施肥よりも実を間引いて成熟させる摘果、それに幹や枝を選定し養分を集中させることの方が重要なようだ。


 ここでは剪定の理屈について綴ってみたい。

When:収穫時と温かい時期の枝が混んできた時*冬期NG

Why:間引いて幹・実に養分を集中させる

   日光を当てて幹・実を成長させる

   風通しをよくして害虫の発生を抑える

How:幹を上を切って横に広がらせる

   前年に伸びた枝に実を付けるため、青枝以外剪定(重なり合っているもの、下

   向き・真上 に生えているものなど)

   切り口に癒合剤を塗布


 よし、これで完璧! と期待して収穫した柿は渋かった。

 当初は、木が若いからか? とも思っていたが、数年経っても渋い柿しかできないので、結局は渋柿だった(笑)。


(余談 渋柿の脱渋方法)

 渋みを感じるのは、柿に含まれている水溶性タンニンが唾液で溶け出して渋みを感じるため。なので、干し柿のように乾燥させて不溶性タンニン化させる方法。または、焼酎などの度数の高いアルコールで、同じく不溶性タンニン化させる方法などが上げられる(アセドアルデヒドの作用)。

 干し柿の作り方は言うまでもなく皮を剥いて風通しのよい場所で二~三週間干す。一方のアルコール脱渋はキッチンペーパー類に焼酎を含ませ、ヘタの部分に被せて軽くラップで二週間。

 どちらも甘~いおやつの出来上がりだ!


写真掲載中

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