第5話 山菜採り

 四月。やっと暖かくなってきた。愚生の冬期うつも日増しに快方に向かっている。

 春といえば山菜採り。お金のかからない至高の余興であり贅沢。早速、フィールドへ出掛けてみた。

 山菜とひと口に言っても二月雪融けシーズンのフキノトウに始まって三月の土筆、四月のワラビ・コゴミなどいろいろあるもの。今回は山菜の王様ワラビに挑戦だ。


 愚生は冬期うつが入っている熊のようにほぼ冬眠中、山奥の人があまり来ない日帰り温泉で心身の疲れを癒す。そこで車中から目星を付けていたのが前年度に成長しきって枯れたワラビのほだがら群だ。ワラビは一本見付けたらその周辺に群生しており、非常に効率よく採れる。

 さてさて、その目を付けていた場所を斜面の下から上へ向かって追っていくと…。

 案の定ごっそり。親指・人差し指・中指でポキンと折れる茎のところで折っていく。山地の日当たりのよい場所を広範囲に移動しなければならないものの大収穫だ。近所の親戚一同にもお裾分けしてやろう。

 ちなみに山地でも日陰のじめじめした場所に生息しているのはシダ。緑色が深い。ワラビはもっと浅緑色。シダの育ち切って硬くなったものは食すに適さないが、若芽としては柔らかく、ワラビと同じシダ科なので食しても遜色はない。

 来年はさらに「山菜眼」を養って大々収穫を目指そう。


写真掲載中

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