第2話 🍈
さて、先ずは土地だ。耕作地が必要だ。
嫁の実家は資産家ではなく、ごくごく一般的なサラリーマン家庭。田舎の農家でもなく土地も持っていない。なので知人から借り受けた借地で耕作をしている。
その土地は広い。200坪ほど(おおむね畳400枚)はあろうか。
片田舎の不便な場所。売って家を建てるにしても交通が不便だし、駐車場にしたとしても周辺は駐車場付きの戸建てばかり。採算は見込めない。草ぼうぼうの荒れ地にするくらいなら、気心知れた人に有効活用していただこうではないか、といった具合だ。実際その200坪の面積を、大小分け合って6人が活用させてもらっている。しかも無償で。有難い限りだ。
そのうちの50坪ほどを嫁の実家が使わせてもらっているわけだが、愚生は寄生虫のようにそこに間借りさせてもらうに至った。それにプラス、ちょうど神のお告げか、我が町の広報に貸農園募集の広告が掲載された。6坪で年間3000円。少々割高感が否めないが、早速申し込んだ。
ハード面の準備は整った。さしあたっての道具は実家のスコップ、鍬を借りれば充分だろう。
さて、本題となると何でも勉強が必要だ。本やインターネットのサイト、今は動画もあっていろいろな耕作情報がアップされている。これで知識の習得には困らない。
さあ、あとは実践あるのみだ。豊作を皮算用しても天候なんて2週間先も読めない。水源はどうするのか、そもそも上手くできるのか? なんて実際にやってみなきゃわからない。
実家の叱咤激励を受けながら「土作り・植付け(種蒔き)・育成」と、作業を3段階に分けて実践してみることにした。
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