どこかの世界の物語

収録作品7『探偵ミサキハルカの日常』『春唄』『ナンバーズ』『よろずの八記商店』『雨の色』『異世界調書』『黒歴史』『ブリキの人形』『アオイ食堂』『銀杏の雨』『達磨と蛇』『躑躅』『ザヴァール童話集』ほか

121

私は、君の戯言に聞く耳無いよ。

そんなことばかり口にしないで、もっと中身の詰まった話をしたらどうだい？

少しは、賢く見えるよ。

　　　　　　　「探偵ミサキハルカの日常2」

　　　　　　　　　　　　　　百合崎　未来

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　　　　　　4月9日　鮸（ニベ）

　　　　　　　　　　　魚言葉　聞く耳なし

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122

ほら、もっと打ち解けようよ。

これから、一緒に頑張っていくメンバーなんだから。

今日は、仕事のことは忘れて好きにしていいんだよ。

　　　　　　　　　　　　「春唄」

　　　　　　　　　　　　　　小原田　秋水

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　4月10日 裸鰯（ハダカイワシ）

　　　　　　魚言葉　打ち解けようよ

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123

いやいや、自分のことを優しいとか自称する奴なんて信用できるわけないでしょ。

こういう人に限って、裏ではかなりひどい仕打ちをしているに決まっている。

　　　　　　「探偵ミサキハルカの日常6」

　　　　　　　　　　　　　　百合崎　未来

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　　　4月11日 姫鱒（ヒメマス）

　　　　　　　　魚言葉　ひどい仕打ち

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124

俺の座右の銘は、自分に正直であることだ。

貴様らが決めたルールで、俺を縛れると思ったら大間違いだ。

俺はやりたいようにする。

ただ、それだけだ。

　　　　　　　　　　　　「ナンバーズ5」

　　　　　　　　　　　　　　　樋川　五月

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　4月12日　紋殻皮剥（モンガラカワハギ）

　　魚言葉　座右の銘

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125

「日君、今日はやけに機嫌がいいね」

「そんなことないですよ、先生」

「いやいや、いつもより元気そうに見えるよ。なんか、あったのかい」

「この前、ジンがやけに商店街の抽選の結果を聞いて欲しそうにしていて、聞いたんです。それが、花火大会の特別席の券で、一緒に行かないかって誘ってきたんです」

　　　　　　　　　「よろずの八記商店4」

　　　　　　　　　　　　　　　花形　竜星

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　　　4月13日 錘鰤（ツムブリ）

　　　　　　　　魚言葉　抽選の結果

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126

遠近法を表現するのは、消失点だけじゃないの。

塗り方次第で、だいぶ変わってくるの。

　　　　　　　　　　　　　「雨の色」

　　　　　　　　　　　　　　　萩原　幸助

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　4月14日　箆蝶鮫（ヘラチョウザメ）

　　　　魚言葉　遠近法

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127

祖父の遺言で、僕の元に大量の本が送られてきた。

どれも見たことない字で書かれてあった。

ふと、祖父が言っていた言葉を思い出した。

この世界とは違う、別の世界が存在する。

当時は、祖父の作り話だと思ったが嘘ではなかった。

僕は、適当に一冊手に取り翻訳することにした。

翻訳すると、この本は歴史書である。

これを読み解くと、その世界にも遥か昔にいくつかの文明があることがわかった。

その中でも四大文明と呼ばれるものがあり、メソポタミア文明・エジプト文明・インダス文明・中国文明と書かれていた。

　　　　　　　　　　　　　「異世界調書」

　　　　　　　　　　　　　　　間宮　始

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　4月15日 天竺鯛（テンジクダイ）

　　　　　魚言葉　インダス文明

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128

透視能力があれば、どれほどよかったと身に沁みて実感した。

無論、覗きと言う邪なことで懇願しているわけではない。

断じて、違う。

話が脱線してしまったが、本題に入ろうではないか。

　　　　　　　　　　　　　「黒歴史」

　　　　　　　　　　　　　　　佐田　健人

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　4月16日 介党鱈（スケトウダラ）

　　　　　魚言葉　透視

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129

難航苦行を経て、やっと完成した。

あれ？　おかしいな？

周りが歪んで見えてきた。

体がふわふわして、浮いているみたい。

　　　　　　　　　　　　「ブリキの人形」

　　　　　　　　　　　　　　知念　柚子夏

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　　　　　　4月17日　鯥（ムツ）

　　　　　　　　　　　魚言葉　難航苦行

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130

りんごの皮むきなんて、簡単よ。

こうやるの、見ててね。

包丁は動かさず、りんごを回すの。

当たり前だけど、ちゃんと手元は見るのよ。

　　　　　　　　　　　　　「アオイ食堂」

　　　　　　　　　　　　　　　猫柳　ルル

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　4月18日 紅皮剥（ベニカワムキ）

　　　　　魚言葉　りんごの皮むき

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131

どんなに手を尽くしても、二階から目薬では意味がない。

もっと、効率というものがなんなのかを考えたらどうだ。

これでは、いつまで経っても君は成長しない。

　　　　　　　　　　　　　「銀杏の雨」

　　　　　　　　　　　　　　　江東　久志

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　　　4月19日 目仁奈（メジナ）

　　　　　　　　魚言葉　二階から目薬

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132

明日締め切りなのに、あんたなにやっているんですか！

また、内田さんに怒られたいんですか。

俺も手伝うので、頑張ってください。

　　　　　　　　　　　　　「達磨と蛇」

　　　　　　　　　　　　　　　新井　梧楼

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　4月20日 樺太鱒（カラフトマス）

　　　　　魚言葉　明日締め切り

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133

ここは、化粧室よ。

男が来るところじゃないわ。

冷やかしに来たのなら、人を呼んで豚箱にぶち込むわよ。

　　　　　　　　　　　　　「ナンバーズ3」

　　　　　　　　　　　　　　　樋川　五月

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　4月21日　歯黒剥（オハグロハギ）

　　　　　魚言葉　化粧室

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134

落とし物は、見つかったか？

その調子だと、当面は無理そうだな。

ちょっと、そんなに怖い顔しないでよ。

俺は優しい男だから、わざわざ君の手伝いに来たんだよ。

感謝してよね。

　　　　　　「探偵ミサキハルカの日常6」

　　　　　　　　　　　　　　百合崎　未来

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　　　4月22日 菱鯛（ヒシダイ）

　　　　　　　　魚言葉　落とし物

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135

ねぇ、たまには家事でも手伝いでもしたらどう？

家にいるだけで、暇でしょ。

あ〜、いないかな？

なんでも尽くしてくれる親切で優しい人。

　　　　　　　　　　　　　「躑躅」

　　　　　　　　　　　　　　　乃木和　海

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　4月23日　神楽鮫（カグラザメ）

　　　　　　魚言葉　家事手伝い

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136

村はずれの森の中に、丸太小屋がある。

昔は、木こりが物置や寝泊まりに使っていた。

今は、誰も使われてなくなっている。

だが、旅人の話では小屋の周辺で不思議な音が聞こえてくるそうだ。

　　　　　　　「ザヴァール童話集

　　　　　　　　　1巻4番　森の精霊」

　　　　　　　　　　ハウマン・ザヴァール

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　4月24日 丸太石斑魚（マルタウグイ）

　　　魚言葉　丸太小屋

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137

現金輸送車にある紙幣をすり替える作戦だけど、ちょっと難易度が高すぎんか？

作戦の立案者に、立場代わってほしいぐらいですわ。

簡単に聞こえるけど、どんだけの量があるのか知ってる？

　　　　　　　　　　　　　「ナンバーズ7」

　　　　　　　　　　　　　　　樋川　五月

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　　4月25日 銭鱮（ゼニタナゴ）

　　　　　　　魚言葉　現金輸送車

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138

毎年この時期になると、花粉症がひどくてひどくて、つらいの。

鼻水は止まらないし、涙が出てきてくるしでいやなのよ。

はぁ、花粉症じゃないあなたには、この気持ちわからないでしょうね。

　　　　　　　　　　　　　「笑福屋」

　　　　　　　　　　　　　　　如月　千輝

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　　　　　4月26日　須義（スギ）

　　　　　　　　　　魚言葉　花粉症

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139

しばらくは、様子見としておこう。

下手にこちらが動けば、相手に気付かれて今までのことが無駄になる。

さぁて、こっからは長期戦と行こうか。

　　　　　　　　　　　　　「ナンバーズ8」

　　　　　　　　　　　　　　　樋川　五月

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　　4月27日 仁座鯛（ニザダイ）

　　　　　　　魚言葉　様子見

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140

何度も同じことの繰り返し……結末が変わることなんてない。

どんなに、自分の行動を変えても無意味だった。

それでも、私は諦めない。

最悪の未来を変えるまで、私の旅は終わらない。

　　　　　　「聖魔物語　

　　　　　　　　第3章25節　孤独な旅人」

　　　　　　　　　　　　　　　※一部抜粋

　　　　　　4月28日 黒小判（クロコバン）

　　　　　　魚言葉　繰り返し