第62話

「シルキー...本当に良かったのか?」

騎士ティアナは不安だった、シルキーをイーストポーン防衛戦に参加させることにしかしなりふり構っていられない状況故に回復魔法使いとして推薦したものの、もしものことがあった場合は安全を担保できない、そして自分にシルキーを預けてくれたアルカにどんな顔をして会えばいいのか...

「何がですか?非戦闘員とはいえ、戦いに加わることですか?それとも...」

「全部だ、いくら成長が早い妖精種とはいえ、君はまだ幼すぎる。」

妖精種の寿命は長く妖精種の成人も早いしかし容姿の成長は遅く人間種からしたらまだまだ子供でしかないのだが、王国においては各種族毎に成人の儀が行われるのだが、17歳前後が成人の人間種、獣人種(一部を除き)と違い妖精種やエルフなどの長命種は成人年齢が遅い傾向にあるが、容姿がほとんど変わらない為に容姿で判断するのはマナー違反とされるが今はこの話は関係ないだろう。





「この前手に入れたトリスタンもありますし、何とかなりますよ。それに私は最前線には出ないので前線が崩壊しない限りは大丈夫だと思いますが...」

前線崩壊フラグとも思える発言だがシルキーのやる気的に運ばれてきた怪我人は全員直すつもりのようだ。

「確かにあれがあれば一部の魔物以外は問題なく倒せるだろう」

あの砲撃はたとえドラゴンでも一撃で葬り去る威力があるがチャージ時間が必要

「だが、もしもの時は逃げて欲しい。これは私自身の独断だ」


「ティアナさん....」

ティアナさんが私の事を心配してくれるのは嬉しい...けど....

ごめんなさい.....それは守れないかもしれないです。

もしみんなを見捨てて逃げたりしたら、私は私を許せない


「この揺れは....」

近いね....それに大気の魔力が濃い

『マスター!防衛本部から魔道通信です!』

「読み上げて、トリスタン」

『「防衛本部より全騎士へ魔道通信、正門から300M地点に敵勢力本隊と思われる集団を確認、戦闘準備を開始せよ』」

正門から300M地点は平原の為、到達する前にすぐに見つかると思ったけどもう来たのか....もしかして相手側に空間魔法の使い手がいるのか?

どちらにしよ、戦闘は避けられない

もう戦うしかない.......そうだよね◆◆◆....







「ついに来た...」




人類と魔族との戦争の時が!




つづく

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