第61話
「騎士ティアナ...それは本当に事実なのか?」
イーストポーン領主にして防衛司令官、レルゲン・フォン・ストラトス
代々この町を守ってきた領主の家系であるストラトス家は3代目当主の時に蚕妖精と交流を持っていた古い家系である。爵位は伯爵で数代前には王族の家系とも関係があったようだが今はもうただの辺境伯に過ぎない...
「はい、紛れもない事実です」
王都近衛騎士ティアナ・ローウェルは事実だと断言する。
それを見たレルゲン辺境伯は事実なのだと理解し
「絶滅種、人類友好種、第9位、始原の妖精...まさか生きていたとは....」
第一級絶滅種、人類友好種、第9位、始原の妖精..どれも蚕妖精につけられた異名の数々であるが、現在では単なる単語に過ぎない。
人魔大戦終結後に蚕妖精自体が人前から姿を消してから300年、もはや人類にとって単なる伝説と化していた蚕妖精の存在、しかし人類を有史以前から助けあい支えあってきたその歴史故に人類にとっては蚕妖精は大切な友人であり、守べき存在であったからか、この場において、この少女が蚕妖精であると信じると決めた者が大多数を占めていた。
「私もこの町に来るまでは半信半疑でしたがシルキーに出会い行動する内に感じました。この少女は本物だと」
「.....わかった、君が言うのだから優秀なのだろう。
「....ありがとうございます」
騎士ティアナは一礼した後、席に座る
「では、これにて、防衛会議を終了する。各自、持ち場に付き最善を尽くせ...国王陛下万歳!」
「「「「「「万歳」」」」」
つづく
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