第58話

「もしかしたら何処かに蚕妖精以外が使えるようになる術式も載っているかもしれないので、探して見ますが、全ての文章の翻訳にはもう少し時間が要るかもしれません。」

とは言ったものの翻訳魔法あるから、その魔法の応用で紙に写すだけでいいのは内緒♡

「それについては問題ない」

え?

「遺跡からは蚕妖精の臓器と同じ機能を持った手袋がみつかっている」

なんでそんなものあるんですかねぇ...

ていうかそんな物があるならこの魔法、人間でも使えるじゃん!心配して損したわ。

いやでも数が少ない可能性もあるか?というか臓器と同じ機能ってそれやばいやつでは?もしかしてやばいもの使われてる?例えば蚕妖精の体の一部とか....

流石にないか!

「危険な物は使われていない....はずだ..」

たぶんや、はず、は信用ならないって昔から言われてるんですけどね。

まぁこの世界は盗賊結構いるけど、冒険者とかにボコボコにされてるし、一部の冒険者は盗賊狩り専門に活動する奴もいるっぽいんだよね。豆知識終わり。

「.....そうですか...とりあえず、3分の2くらいは翻訳出来ました。」

「早いな。さすが蚕妖精だな。」

書いてあった言語が何故か日本語だったのが大きいですね。

日本語以上に表現の幅が広い言語はないので。

「お?翻訳終わったぁ?シルキーちゃーん」

でたなぁ?騎士団の問題児二人組め。

というか君たち何してたんだよ。

「大体終わりました。全部ではないですが全体の3分の2くらいですけどね。」

「さっき翻訳初めて、もうそこまで翻訳できたのは素直にすごいと思うぜ」

「ふふん」

((((かわいい)))


「あとこの資料に書かれている言語の文字一覧とその文字を王国語に翻訳した場合の表も作成しておいたので、他に文書が見つかった時に使ってください。」


「それはありがたい、これで他の人員も他の資料の翻訳などに当てられる。」



「そこまでの物は無いが、翻訳代として報酬を渡そう。ロータス、持ってきてくれ」

「はい隊長」

わーい

「これがさっき言っていた手袋だ。手甲の用な見た目をしてる物を選んだ。気に入ってくれると嬉しいが...どうだろう?」


「いいんですか?そんな貴重なものを...」

「問題ない。100個くらい遺跡からは出たからな。一個くらいなら誰も気にしないだろう。」

そうなのか...

「それと、翻訳してくれた文書の複製しておいたから。持っていくといい」

それはありがたい!より戦闘しやすくなると思うから。

「資料をゲットしたので、新技として諏訪式繰糸をマスターしようと思うんですけど、練習相手になってくれる人いますか?報酬に蚕妖精の糸で服とかハンカチとか作ります。」でも服やハンカチのデザインがランダムなのは内緒

もしかしたら

「やりたーい!新しい服欲しー!」

そこ、欲望がまろび出てますよ

素直でよろしいけど

他に手伝ってくれる人いるかな?

「私も欲しいわね。」

お?もう1人居た..えーと貴女は...アルシェさんか。

「あ、アルシェさん、お久しぶりです」

アルシェさん最近全然見なかったけど、どこに居たんだ。

「おひさ〜」

おひさ〜アルシェさ〜ん

「おー?アルシェも来たのか〜」

寝そべるな。パンツ見えてるぞ〜

あれか?見せパンってやつ?

「あんたが色々やらかしてるから、その件の報告に王都に行ってたのよ。」

王都!行ってみたい!けど人多そう!

「それはすまなかった」

ティアナさんは謝る仕草というかぺこぺこ頭を下げているが間隔がなんというか....早すぎる。

ヘトバン見たくなってますよ。

「誠意が感じられませんねぇ...」

「とりあえず、練習始めない?」

おっそうだね

始めよう。

「まずは基礎の硬糸の操作から。」

えーと、手袋をはめて、手袋に魔力を流す。

そして....起動式は...これか、

「紡げ、フェイルノート」

『起動式を確認。ユーザー登録を申請。承認。純血種と判断。第二封印解除。』

電子音と共に手甲が変形して、ガントレットに変化する。かっこいいね。その機構

「形状は...ガントレット...かな」


『初めまして、マスター。』

しゃべったあああああ!?

AI搭載か?それとも補助人格か?

「こんにちは。」

「シルキーどうした!すごい魔力反応だが...」


『初めまして、マスターのご友人、私の名前はトリスタンです。』

トリスタン....


誰?




つづく

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