第57話
「....では、翻訳を始めますか....」
「あぁ、頼む」
まずは優先的に翻訳するのを決める。
1番優先なのは諏訪式繰糸の基礎となる魔力を硬糸と呼ばれる糸に変換する為の魔法式と詠唱式、
次に応用編に書かれてる硬糸を使った防御術式だね。
めちゃくちゃ文が長いから、相当な時間がかかりそう
翻訳してて思ったけど.....
「随分と術式が複雑ですね....」
これは再現するのは相当難しいぞぉー?
魔法の領域的には高位魔法クラスだ。
「硬糸を交差させて空中で編み込む事による防御術式ですか....」
なかなか考えますね。この術式を考えた人は相当蚕妖精のことを熟知していますね。硬糸を発生させる場所から、最大限防御力を高める為の組み上げる順番まで書かれてる...でもこれ人間には使用不可じゃね?
使えない理由?単純に使用するために必要な硬糸を作る専用の臓器が人間には存在しないからね。というかこの術式は大気中から魔力を吸収して自分の魔力として使用しなきゃ使えないくらい消費魔力量が多いし...はっきり言って普通の魔法使いには使用不可。元々人間には使用不可だけど、もしかしたら人間は使えるようになる術式も有るかもだけど...
「やはり蚕妖精固有の魔法術式についてか...となると人間には使用不可だな。」
そっすね。
「でも大気中から魔力を吸収して、その魔力を術式に使用できる様なので魔力量の問題は解決しそうですが...」
「やはり蚕妖精固有の臓器がないとダメか....」
「.....はい」
「もしかしたら何処かに蚕妖精以外が使えるようになる術式も載っているかもしれないので、探して見ますが、全ての文章の翻訳にはもう少し時間が要るかもしれません。」
「それについては問題ない」
つづく
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