第56話

「これがこの遺跡で見つかった。蚕妖精についての資料だ。まあまだ読めないだろうが....」(もしかしたら読めるかもしれんが....)

なになに?題名は....諏訪式繰糸総集編

「諏訪式繰糸総集編?諏訪式繰糸ってなんだろう...」

糸を用いた戦闘術か?

「すごいな。もうこの文字が読めるのか。」

え?すぐには読めないの?

蚕妖精以外が見ると別の言語に変わる魔法でも掛かっているのか?

「え?あっはい。読めます。」

というか日本語に見えるんだが、まだ翻訳魔法使ってないんだけどなぁ...

「ふむ....ならばこの資料を王国語に翻訳してくれないか?もちろん給金は出す。」

「給金出るなら....やります!」

いつまでもアルカおばあちゃんの世話になるわけにはいかないし。

それに...内容は今後に活かせそうだし。

「紙とかありますか?あとペンも欲しいです。」

できるならタイプライターが欲しいけど、この時代には無いもんなぁ。

「わかった。用意させよう。ロータス、この子に椅子と紙とペンを。」

「わかりました隊長、すぐに用意します」

「あぁ、頼む」

数分後

「用意できました。どうぞ。」

ロータスと呼ばれた青年は奥の道具箱から髪とペン、倉庫から椅子を持ってきてくれた。


「ありがとうございます。ロータスさん」


「いえ、仕事ですので...」(若いなぁ...あとやっぱり妖精は可愛いなぁ」


「声に出てますよ」

意外と可愛い人なんだなぁ...

「あ!すみません!客人に失礼を!」



「いえ、嬉しかったですよ?」

心の声が漏れてるということはお茶目な証拠

「....では、翻訳を始めますか....」

「あぁ、頼む」







__________________


「....俺たち空気だったなぁ....」

とラインハルト

「あぁ、そうだね。」

とウィリップ


彼らはシルキーの思考から、一時的に忘れ去られたのだった。






つづく


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