第53話

「フォード村?その村確か魔族の襲撃受けてなかったか?」

「はい。ブラックドックの集団に襲われたんですけど、どうやら勘違いだったようで、双方の犠牲者も少なかったため和解が成立しました。どうやら魔族領で盗賊団が現れたようです。」

だから魔族領から王国領に来ていたのか。

「なるほどね。」

ちなみに魔族領は人間やその他の亜人国家の管轄ではない魔族が多く住む領域の事。旧魔王軍領土が主な属する領域だが、300年前の魔王死亡による混乱に未だ立ち直れていないらしく殆ど分裂状態にあるとの噂だ。300年前と比べてある程度領土は統一されたと思うが...まぁこれは今は関係ないだろう。

「っと着いたな。」

着きましたね。


「第1級機密保管書庫の使用したいのだが、今は空いているか?」


「機密書庫ですか?少々お待ちを......」

司書長と思われる男性に声をかけて確認を取る受付

「はい。確認しました。現在、書庫内に他に使用中の方はいないので、ごゆっくりどうぞ。」

どうやら誰もいないようだ。

「あぁ、ありがとう。」










[そ ですか...それ 素晴らし 。」


....誰かいるのか?

「ん?なんだこの音...手を叩く音...拍手かなんかか?」

おかしいなぁ、この先には誰もいないはずなのに扉の向こうから拍手の音が聞こえてくる。

「先客がいるなんて聞いてないぞ」

魔力反応からして恐らく扉の向こうには2人以上いるだろう。

「開けますか?....ティアナさん」

「あぁ、3、2、1で開けるぞ。」

「了解。」


3



2



1

ドアに蹴りを入れて無理矢理開けると中には黒い服にといった真っ黒黒な衣装ににを包んだザ・不審者な人物が奥の椅子に腰掛けていた。見た目が怪しすぎるっぴい!

「おやおや、こんな所で『同胞』に逢えるとは、此れもまた運命でしょうか。」

.....敵は1人だけ?妙だな。確かに魔力反応は2人分だったはずだが....

他には逃げられたか?

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