第52話
「この紋章に関する資料はこの街の図書館では見つからなかったんですよね。」
この街、イーストポーンの図書館はなかなか大きく、たまに返却ミスにより別のジャンルの本が混ざってたりする。例とすれば恋愛ジャンルコーナーにホラーがあったり
「おう。さっき嬢ちゃんが言った、このペンダント以外には手がかりがねぇ。」
「奥の部屋にある隠し部屋は見ましたか?」
「奥の部屋っていえば....もしかして第1級機密保管庫か?嬢ちゃんは入ったことがあるのかい?あの部屋、許可証代わりのペンダントが無いと入れないって聞いてるけど」
第1級機密保管庫。通称荊の園は認識用のペンダントが無いと四方に設置された茨が侵入者を攻撃して排除する事から、その名がついた。主に知られてはいけないとされる書物を保管する部屋である。もちろん機密文書も多数保管されているが、機密文書の殆どは鍵付きの本棚に保管されている為、侵入者は荊の攻撃を掻い潜り鍵を開けて中の文書を取り出さなくてはいけない為、これまでに突破できた者は居ない。らしい...
「はい、入ったことがあります。そのペンダント、アルカお婆ちゃ...いえ、祖母が持っていたので、それを使って入らせてもらいました。」
果たして家族とはいえ、他人の認識証で入っていいものなのかは疑問が残るが、気にしないのがいいだろう。下手に藪蛇っては困るし
「え?君、アルカさんの孫?まじで?」
ドルトンさんはアルカお婆ちゃんと知り合いだったの?
「養子ですがね。それでアルカお婆ちゃんとはお知り合いだったのですか?」
意外だなぁ
「まぁ、うん、冒険者時代に色々世話になったからね。今でも親交があるのさ。」
「なるほど、それで話は逸れましたが、このペンダント、勇者関係の品だって獣王ロボさんが言っていましたが、本当なのでしょうか。...疑問が残るんですよね。」
このペンダントはほぼ永久機関なすごい品だけど。
「そのロボさんって人?はどこで知り合ったんだ?」
「えーと、ティアナさんと国境近くのフォード村に行った時でしょうか。」
つづく
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