未知の誘惑
次の日の朝、セイコはショウジより早めに起きて朝ごはんの支度をし始めた。
それから、昨晩のショウジが食べる予定だった物を電子レンジで温めて、二人分の料理をテーブルの上に並べる日課を進める。
数時間後、セイコは椅子に座りながら正面に映し出された映像をつついていた。
そして、宙に浮かぶ映像を撫でていた指を急に止める。
(昨日知った、『心のマッサージ』ってお店、なんか気になるなぁ……。いやいや、まさかわたしが本能的にマッサージされて癒されたいと思ってる? 無い無い!)
セイコは硬い笑みを眼前の映像に向けた。
(まぁ、調べるだけなら別に問題ないよね? 資料作成の休憩も
微笑みながら目の前をつついていき、映像に『心のマッサージ』と文字を打ち込む。
すると、昨日見た光景がすぐにセイコの目の前に表示された。
(サービス内容は……詳しくは書かれてないね。で、指名料があるってことは……誰かを指名するわけなんだけど……どんな人が癒してくれるのかな?)
小首をかしげながら映像を指で撫でていく。
(うっ……うわぁっ!? なにこの美しい男性の集団は!? ……この人、この銀髪の男性、結構わたしの好みかもしれない! ……えーっと、ちなみにこのお店の場所は……あっ、えっ、結構ここから近い!? うそでしょー!? いや、本当だけど! ……いやいや、こんなお店利用するなんてどうかしてるよ。だって、サービス内容がよく分からないうえに、利用料金が結構高いし……)
セイコは顔をしかめながら目の前を凝視した。
(うーん……でも、十分だけなら利用してみたいという心の訴えが……。あぁ、どうしたら……。いや、十分で迷う必要がどこにあるの? 十分という小さなお試しの段階で迷う意味はない!)
眉尻を上げながら眼前の映像を小突いていく。
(電動ローラースケートで向かうとなると、ここから約三十分くらいかぁ。……ええい! ちょっとした新しい出会いの機会だと思って、行っちゃえ! ゴーゴー!)
セイコは目の前の宙から映像を消し去ったら、軽い足取りで玄関へと向かっていった。
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