第4話
それより、おでこはテーブルに付いてなかったし、目を覚ましたところがイスじゃなくて、テレビの前のふかふかマット!? そんなことよりハチミツのお茶を飲んでから片付けるつもりだったおもちゃや本もキレイに片付けられている。お母さんがしてくれたんだ、ということはお母さんに怒られると思ったときに
「あら、起きたの?」
とドアを開けたお母さんが丁度、これからお夕飯の盛り付けをするつもりといいながらニコニコ笑顔で部屋に入ってきた。
ニコニコが余計に恐く感じたみっちゃんは
「おかた・・・づけ・・・」
をしなくてごめんなさいと言いかけると
「てっきり、お茶を飲み終わっても、お片付けしないと思ってたの。だって、お茶を飲みながらねてしまったのよ、いったん(少し)ね。」
決めつけてしまって、ゴメンね!とあやまるお母さんによれば、ねながら飲みかけのコップをひっくり返してもつまらないのでお母さんが近づくと目を覚ましたみっちゃんは残ったハチミツのお茶を飲みほして、すぐに空になったコップを流し台まで運び、テーブルを拭いて、約束通りにおもちゃや本のお片付けをして、(急に、なぜか、さらに)ベランダの窓を拭きはじめたらしい。そういえば、そのときに、たくさんのハチがベランダにきてたね、なんて出来事もあったようだ。
その後は熱心に本を読んでいたらしい。お母さんがお夕飯の下ごしらえをしている間に何冊か読みながら、ねたり起きたりを繰り返してたので、お母さんは火のかけ終わった料理が冷めるまで別の部屋のお片付けをしてて、今ってことのようだ。
全然、覚えていないみっちゃんだったがお母さんのニコニコがホンモノであると分かり、ホッとしているとエプロンを外しながらニコニコお母さんが
「赤ちゃんでも、与党の幹事長でもなくてよかったわ。」
と言ったので、
「カンジチョーってじぶんやなかよしな人のイケンでモノゴトをすすめちゃうおとなだよね」
と何かを思い出したように答えるみっちゃん。
あら、変なこと覚えさせちゃったかもと思わないでもないという顔をしているお母さんにみっちゃんは
「ミツバチさんたちは、大事なことを、カカリのみんなできめるんだよ!」
と付け足す。(意外さに興味を覚えた・面白さを感じた)母と(学んだことを伝える・身にしみたことを伝える)娘の会話が続く。
「みんなで決めるって? なにを??」
「たくさんハチさんがいいっておもったところへひっこすの」
「へー、女王バチが決めるワケじゃないんだ。」
「うん、ミツバチさんたちはチョートウハだね」
そのような言葉まで使っていた自分にあきれ、ちょっと反省もするお母さんであったけど意味を正しく理解している(我が子)みっちゃんにイササカの頼もしさを感じ、
「大事なことはたくさんの人の意見を聞きながら決めるといいよね。ところでさっきまで読んでいた本に書いてあったの?」
ミツバチの決め方について、もう少し知りたくなったお母さんは、みっちゃんと一緒にその本を読もうと思ってたずねたのだが、みっちゃんから意外な答えが返ってきた。
「ミツバチさんがおしえてくれたよ」
(おしまい)
ミツバチさんの引っ越し先の決め方(微調整前?版) @nuneno
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