第20話 偽天使
「シャルロット平気か?」
一の村にあるゴローのビルの一室にシャルロットとゴローがソファーに座っている。
「うん、ありがとうゴロー」
「探知でシャルロットをつけているやつは把握してたんだ、悪かったなもう少し早く行ったほうが良かった」
「ううん、怖かったけどゴローが来てくれる予感もあったしね」
顔を赤らめてゴローを見つめるシャルロット、薄手のネグリジェのような寝巻き姿に鈍感なゴローも生唾を飲み込むが。
「う、うんとりあえずシャルロットはこの村に住んでもいいからね」
「本当に?良かった、ゴローと一緒にいられるのね嬉しい…………」
「家も用意するから、他にも足りないものがあったら言ってね」
「明日村を案内してね、今日はもう遅いから」
「そうだね、今日はもう寝たほうがいいね明日村の中を案内するよ」
シャルロットは顔を赤らめてゴローに語りかける。
「ゴロー一緒に寝てくれない?怖い思いしたから安心出来ると思うの」
「え!さすがに若い女の子がおっさんと言えども男と寝るってのは…………」
素人童貞のゴローは女性の扱いを知らない。
「添い寝でいいから…………」
ここまで言われてしないわけにもいかず、ゴローはシャルロットと自分の寝室へと向かう。
“どどど、どうしよ、こんな薄着の若くて綺麗な女の子と添い寝とか寝れるわけないし。でも姫様だから手なんか出せるわけないし、誰か教えてください! ”
ゴローが先にベッドへ入り仰向けで寝るとシャルロットもベッドへ入りゴローへ体を向ける。
「ねえ、ゴローこっち向いてよ」
「は、へ、ふ、へい」
ゴローが体をシャルロットへ向けると抱きついてきた。柔らかい2つのものを嫌でも感じてしまう。
「あひゃ!シャルロットさん?」
「ゴロー………………」
シャルロットは小刻みに体を震わせていた、怖かったのだろう、そうゴローは感じたらいやらしい気持ちはなくなり愛おしい感情が湧いてきた。
「怖かったねシャルロット、今日はもう寝よう」
「うん、こうしてると安心する」
ゴローもシャルロットの背中に手を回し抱きしめながら眠りについた。
翌朝。
先に起きたのはゴローだった、ふとシャルロットを見ると寝息を立ててまだ眠っている。しかし、薄着のネグリジェの下はどう見ても下着をつけていない。胸の谷間の下を見てしまったらまずいと思いながらも目線を外せずにいると。
「ううん…………」
シャルロットが寝返りをするとネグリジェ越しにポッチが見えてしまった。
「ひゃあ!こ、これは直ちに離脱せねば!」
ゴローがベッドを出ようとするとシャルロットは腕を掴みそれを阻んでくる、そして胸をゴローの腕に押しつけてグリグリとしだした。
シャルロットはすでに起きていたが、手を出してこないゴローをその気にさせるために試行錯誤をしているようだ。
「ひいいいい!こ、これはやばいです!でも柔らかい…………」
シャルロットはもう一押しと思い。
“ここからどうすればいいのかしら?いっそゴローのあれを掴んだほうがいいのかしら? ”
素人童貞と処女の水面下でのやり取りが続く。
「ゴロー起きてる?朝だよー!」
扉の向こうからジャスミンの声がした。
「げ!こんなの見られたら何を言いふらされるか!あわわわわ、と、とりあえず転移!」
シュン!
ガチャ
「あれ?いない、もう起きてどこか行ったのかな?」
ジャスミンはゴローがいないことを確認すると部屋を出て行った。そしてゴローとシャルロットが転移した場所は王都の宿屋でシャルロットが泊まっていた部屋だ。
「ふう、危ない危ない」
「バレちゃダメだったの?」
「村に言いふらされたら困るでしょ?」
「私は構わないんだけど」
そう言ってシャルロットはゴローの胸に顔を埋めて抱きつく。
「だ、だからシャルロットは姫様なんだからこんなおっさんじゃなくてもっとちゃんとした人と…………」
「やだ、姫と言っても王位継承に絡むわけでもないし政略結婚の駒でしかないわ」
ゴローは何かを思いついたようでシャルロットの肩を掴んで顔を見つめると。
「そうだシャルロット、魔王軍撃退の功績をシャルロットの手柄にして王位継承に名乗り出ようか?」
「へ?どういうこと?」
「ふふふ、シャルロットは神の加護を受けたことにするんだ」
「神?」
「そう!俺が天使の格好して転移するから王様に謁見するんだシャルロット!親兄弟とは仲がいいのか?」
「ううん、いてもいなくてもいい感じで空気みたいな扱いよ。だから外に出て冒険者なんてやってたくらいだし」
「うんうん、いいね。突然誰も気にしてなかった娘、妹が天使を連れて帰ってくるんだ、面白いと思わない?」
シャルロットは子供のような笑顔で。
「うん!それ面白い!」
「よし!そうと決まれば村に戻って羽根作らないとな」
「ちょっと待って、着替えて荷物まとめるから」
シャルロットはおもむろにネグリジェを脱ごうとするので。
「ちょ!ちょっと!部屋出るから待って!」
そう言ってゴローは足早に部屋を出る。
「もう、見てもいいのに、スタイル悪くないんだからね」
着替えたシャルロットは荷物を持ってゴローと一緒に村へと転移していった。
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