第拾話『さらみ出来る様になったな!』
第玖話に続き、タイトルで紹介する方の名前を明かすとは。まあ年代が完全に昭和の人なので許して欲しい。
今回ご紹介するのは『📚🍀さらみ』本来は『📚🍀さらみ@RDK48』なのだが、僕がこの方を知った頃、たしか『@RDK48』は、付いてなかった様に思う。
だから勝手に『さらみ』とさせて頂く。
そう、僕はこの女性を知っているッ!いや、この良く通る声と、この迫真の演技を知っている!
・・・やかましいわ、いい加減伝わらんネタで文字数稼いで、後で後悔するのがまだ判らんのか?大体タイトルからして、下手すりゃ大滑りしているぞ。
ちなみにネタではなく、僕は本当に彼女の事を知っている。SPOONを始めたばかり2020年春頃の事である。正直な話、誰の繋がりで知り合いになったのか完全に失念してしまったので、押したハートを頼りにアーカイブを
この頃の彼女は、落語の台本を朗読するという配信をしていた。落語・・・正直な話という言葉を僕は良く使うのだが、落語というものにほとんど興味も知識もなく、正直言って彼女の事も落語の事もあまり期待していなかったのだ。
背景画だけが映っている筈のスマホの向こう側に、明らかに演台とそこで正座をして演技する彼女の姿が僕には見えた。こ、これは聴き逃せない!いや、見逃せないと思えた。多声類というものとは明らかに異なるが、演技だけで完全に別人格がそこに生まれるのだ。僕は完全に彼女の世界に引き込まれてしまった。
さらに落語の言葉遊びがこんなにも笑えるとは思わなかった。そしてこれは話し手としては、至らぬと自分で言っているのだが、彼女自身も落語の言葉と、それを拾っていくリスナーのコメントで笑ってしまうのだ。
「うけたまわりますれば・・・」
こんな台詞があるのだが、これをどう拾って笑うのかは、まあ読み手の想像にお任せする。
そして落語の世界は本当に懐が深く、笑いだけでなく涙を誘う話もある。凄い涙声だなあと思っていたのだが、実は本当に泣きながら演技していたそうである。
涙あれば笑いあり。これが落語だということを僕に教えてくれた彼女、当時はただの主婦であった。
それから暫く僕は彼女の演台に足を運んだ。その度に一緒に笑い、時に泣いたものである。しかしそれはあまり長くは続かなった。
さらみは腰を痛めてしまい、配信を休んだのである。正確には、たまに本調子でないにしても朗読枠は開いてくれた。ただ例の演台の彼女ではなく、普通の朗読・・・普通を語る事自体おこがましいのだが、そう感じてしまった自分の足が遠のいていってしまったのである。
それから僕は2021年の秋まで、さらみから遠ざかっていた。ところが・・・である。
『劇団もどき』の旗揚げ公演『無彩色ファンタジスタ』にて、僕は自分の耳を疑う事になった。
白雪という役を演じるさらみが帰って来た。もどきの舞台の上で芝居をしているのはまさに彼女であった。さらに出来る様になって帰って来たのである。
しかし僕は割とSPOON自体から遠ざかり、配信する方から書き手を楽しむ様になってしまった。
何とも言い訳がましいが、彼女の事を気になりつつも、特に詳しく調べる事を怠ったのである。
そして時、今に至り、さらみの事を書いてみたいと思いながらも、これまでのご縁をすっかり切っていた僕は彼女の事を文章にすること
さらみはスマホという演台を離れて、本物の舞台の人になっていたのである。最早、ただの主婦を完全に返上していたのだ。
しかもきっかけは自分の書いた小説を朗読した際に、本当の劇場でやってみないかと声を掛けられたというのである。
これには自分、
まさに舞台が違うのだが、創作者としてすら負けていた。
宇宙怪獣を相手に地球の命運をかけて戦う某アニメの艦長の如く・・・
「なんてこった!」
と、言いたい気分である。
嗚呼、また悪い癖が出てしまった。せめて、彼女の歳ならギリギリ伝わっている事を願わずにはいられない。
さらに舞台出演は、この一回には留まらず、栃木県の『薬物乱用防止啓発演劇』にも参加。そして公演をしている『劇団三十六計』の勧めで、TVドラマ『居酒屋新幹線』にも、ちょい役ながらデビューを果たしている。
先述した『@RDK48』にも触れる必要があるだろう。さらみが舞台にあがるきっかけを作ってくれた女性『うるう』が企画する朗読ユニットが『RDK48』である。
彼女は同ユニットの仕掛人であり、さらみも運営として参加している。もうここで紹介しきれなくて、大変心苦しいのだが、素晴らしい朗読配信者のCASTが上がっているので、RDK48で検索して是非聴いて頂きたい。
最期に一言、我も物書き位はこう言われたい。
「サラミ出来る様になったな!」
おあとがよろしいようで。
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