第壱話『飴と猫の声』

 ピンク色の飴を推しマにしているSPOON配信者。彼女の名は『🍭のゐ』

 しかし大変おかしな事に彼女は『のゐ』でありながら、可愛い少女『ニィナ』であり、勇敢でちょっと照れ屋な女戦士『シアン』であり、頼り甲斐のある青年『ジーク』であり、時には日曜日6時半の長寿番組に出てくる可愛い男の子だったりする。


 えッ!?ちょっと何言ってるか分からない!?


 もちろん多重人格者でもなければ、変身する能力を保有している訳でもない。

 のゐは、『ニィナ』『レイチ』『シアン』『ユリア』『エトラ』『ネルム』『ジーク』『メリン』『トキワ』『ライラ』という実に10人のオリジナルキャラクターと『おじゃる〇』、名前を出したら怒られる千葉に住んでる某ネズミ、『イク〇ちゃん』の声真似という、実に13の声を使い分けるのだ。しかもオリジナルキャラクターに至っては、この10人の声を瞬時に使い分けて演じてしまうのである。

 本当に多重人格者か変身能力を保有しているのではないか?と疑うレベルなのだ。


「喉が密なのよ」


 とあるリスナーのコメントである。至極言い得て妙である。


 しかもSPOON配信を始めた当初に比べたら『彼女の中の人』は、次々に増えている。なんとも恥ずかしい話なのだが、今回この話を書く為に、改めてこの『彼女の中の人』を本人に確認した程である。

 元々絵を描く事が好きで、学生時代は漫画かイラスト関係の仕事がしたいと思っていたそうだ。その好きが高じて、アニメキャラクターの物真似をしているうちに、声優の喋り方の癖に気づき、おっ!これいけそう!って感じで増やしていったとか。

 声真似だけをする配信者なら、ハイレベルな方を正直知っている。しかし彼女はすっかりモノにしてる事が素晴らしい。


 漫画・イラストの仕事に進む事は諦めてしまった彼女だが、絵は上手いので自分のアイコンは自分で描いている。こちらも充分に素晴らしい出来栄えなので、是非彼女のアカウントをフォローする事をお勧めする。

 そしてまず手始めにCAST「ペイ・フォワード」を是非共聴いて欲しい。彼女の演技力と『中の人』の使い分けに圧倒されて欲しいと筆者は切に願う。


 次に猫の話をしよう。もちろん人間で『🐾せんちゃん🐈』というお名前があるのだが、ここはあえて『猫様』と弄ってみたい。大丈夫、ちゃーんと訳はあるのだ。


 さてこの『猫様』SPOONで知り合った『のゐ』の実に『飴』の如く滑らかな声のとりこになって、自分もこんな風になれたらと『飴』の真似事から、自分の声を変える様になる。

『猫様』の最初の中の人・・・いや、猫は『ねこ』であった。


 んッ!?なんだって!?やっぱりちょっと何言ってるか分からない!?


 大丈夫、私はキンキンに冷えたビールの如く至って冷静である。この『猫様』、『自分の中の猫』を次々に増やしていった。

 底抜けに明るくて可愛い『ねこ』、ちょっとやんちゃな『ぜん』、とてもセクシーでナチュラルに堕ちてしまう『リブ』をはじめ、『そう』『レイ』『はな』『るも』『ノラ』

 この『猫様』の配信にお邪魔すると、このBar『ねこカフェねこ課』のメンバーが総出でお出迎えして、しかもお客様を取り合いにしてくれるのである。

 おっといけない、とても恥ずかしがり屋な『せん』もお忘れなく。店長?である『せん』と他の猫達とのギャップの虜になること請け合いである。


 そしてこの『猫様』のもう一つの顔、それはお酒好き・・・ではなくて、オリジナルの台本を書いて、自分で朗読CASTを上げる事である。

 これが実に幅広くて面白いのだ。言葉遊び的な「私は罪をお菓子ます」と「星くずに願いを」これは本当に可笑しくて笑ってしまうし、かと思えば闇と白のギャップが実に突き刺さる「仲身」、そして僕が一番好きな作品「しばしの別れ」

 全部聴いて猫の爪にひっかかれて欲しいと思う。


 この二人をまとめて紹介するというには訳がある。ただ仲良しという訳ではなく、しばしばコンビで活動する。『飴』と『猫様』が『飴×猫様』になった時の相乗効果は凄まじい。ありとあらゆる声が聴ける事は言うまでもないが、『喉が蜜な飴』と『台本の猫様』のコンビ、これはもう鉄壁なのだ。

 どんなへきの持ち主もこのコンビに捕まったら最後、もう逃げられない。

『貴方』も『貴女』も満足する事、間違いなし!以上!


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