第6話 レベル上げ開始

種族 :ゴブリン(アンデッド)

Lv :17→32

HP :100/100→33/33

MP :0/0→0/0

筋力 :63→21

魔力 :0→0

敏捷性:72→24


「うん、弱い!」


アンデッド化して能力が三分の一になっているためか、驚くほど弱くなっている。

この能力なら、たぶん投石だけで倒せるだろう。

因みにレベルが俺より高いのは、死霊の指輪の効果だ。


死霊の指輪の二つ目の効果。

それは使役したアンデッドのレベルを、術者のレベル分だけ上げるという効果だった。


その分強くなる?


残念ながら、ステータスには一切影響しない。

既に死んでいるアンデッドは、レベルアップの恩恵を受けられないからな。


じゃあ何のためにレベルが上がるのかというと、状態異常に影響する項目だからだ。


僧侶や神官なんかは、アンデッドを消滅させる魔法を扱う事が出来る。

不浄を滅する浄化の光とか、ターンアンデッドって奴だ。


此れらの成功率は魔力とレベルが影響して来るので、レベルアップできず、低レベル帯である事の多いアンデッドはアップデート前までは問答無用で消滅させられてしまっていた。

それを緩和する為、死霊の指輪にこの効果が付与されていたという訳だ。


要は、対人専用のテコ入れである。


「ま、それだけじゃなくレベル上げにも凄く影響が出る訳だけどな」


ゲームなどでは、経験値ペナルティと呼ばれる仕様が存在している事がある。

これは倒した魔物よりレベルが高いと、取得できる経験値が減ってしまうというシステムだ。


ヘブンスオンラインもこのシステムが適応されており、基本格下狩りしか出来ない死霊術師のレベル上げは超が付く程きつい物となっていた。


そのせいでアップデート前は、死ぬ程装備の揃った廃人のセカンドキャラでもない限り、サブクラスが取得できるレベル100は完全に無理げー状態となっていた。

実際俺も、死霊術師は趣味全開としてサブで育てた口だ。


だがこの死霊の指輪があれば話は変わって来る。

その効果により、使役するアンデッドのレベルは自分より上になる為、ペナルティが一切発生しなくなるのだ。


「さて、レベル上げの体勢は整ったぞ」


指輪のお陰で、死体をMPの続く限り下僕に出来、更に経験値ペナルティも発生しない。

この二つの効果により、僕殺しフレンドリィファイヤはかなりの効率を叩き出せる様になっている。


え?

ゴブリンは経験値が少ないし、アンデッドは更にその3分の1しかないから大した効率なんて出ないんじゃないかって?


ちっちっち、そんな事は無いぞ。


確かにもらえる経験値は少ない。

だが考えても見てくれ、倒すのがしもべである以上、戦闘は一瞬で終わるのだ。

何せ抵抗なんて一切ない訳だからな。


更にその場で蘇生させられるので、索敵する手間も省ける。

なんだかんだ言って、索敵時間ってのは狩の大部分を占める物だ。

それが圧縮できるのはかなり大きい。

なので取得経験値の少なさを考慮しても、時間当たりの効率はトップクラスに入るレベルと言っても過言ではないだろう。


ま、MPが続く限りという制限はあるが……


とは言え、死霊術師はMPだけは良く伸びるクラスなので、現状のレベルでも既に50回以上死霊化が使える。

休憩も挟めば1日200匹程狩れるので、1日当たりの経験値量としてもそう悪くはなかった。


「さあ!高速レベリング開始だ!」

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