第91話 ダンジョンマスターLv9

 - 眷属によるダンジョン攻略を確認。相手のダンジョンが消滅され、『グランドダンジョン』のダンジョンポイントとなります。ダンポ300,000を獲得しました。-



 レヴィ達がダンジョン攻略を終えたようで、頭の中に連続してダンポ獲得の声が響く。

 4人で回っているはずなのに、その声は途切れる事なく聞こえてくる。

 そもそも溢れた魔物も大量にいるはずなのに、それをなぎ倒しながらダンジョン攻略を一瞬でこなす守護眷属達の強さに驚く。


 それから暫く待っていると、次々ダンポを獲得していった。




 ◇ ◆ ◇ ◆




【所有ダンポが8,000,000を越えております。ダンジョンマスターLvを8から9に上げますか?】



 いくつものダンジョンを制圧して、全てがダンポに変わったのか、毎日増えるダンポで気づけばもう800万も貯まっていたのか。

 数か月前はダンポが手に入らなくてルゼに寂しい思いをさせてしまったのだが、ここ最近増えるダンポの量がとんでもない量だ。

 王国も全て制圧してから手に入るダンポが激増した。

 ダンジョンの数もあって、どんどん増え、中にはダンジョン制圧だけで100万に至るモノまであった。

 ひとまず、レベルを9にあげよう。



 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 『ダンジョンマスターLv9』


 フロア追加(13) …… 4,000,000


 Sランク魔物生成 …… 1,000,000

 Sランク素材ドロップ追加 …… 5,000,000


 Aランク植物生成 …… 100,000

 Aランク動物生成 …… 1,000,000

 Aランク鉱物生成 …… 1,000,000


 Aランクガーディアン生成 …… 10,000,000


 レーダー&アラーム(13) …… 130,000

 レーダー&アラーム(14) …… 140,000


 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



 遂にレベル9になって、一番の目玉はAランクガーディアンである。

 Bランクガーディアンはマモだったのだから、Aランクガーディアンも中々の子が生まれるのではないだろうか。

 そのほかに、最も嬉しいとまで言えるのは、Aランク植物生成である。

 とにかくダンポが1,000万貯まるまでに、A植物を何本か作り、アメリアに美味しい食事を作って貰わないとな。




 ◇ ◆ ◇ ◆




「ご主人様~」


「アメリアか。もう食事の時間か」


「はい。まだ届いているのですか?」


「ああ。レヴィ達が頑張ってくれるのはありがたいが無理はしないで貰いたいんだがな」


「ふふっ。きっとご主人様に褒められたいんですよ~」


「そ、そうか。アメリアもそうか?」


「へ? え、え~っと」


「まぁ、それはよかろう。Aランクの植物の料理が楽しみだったな」


「腕によりをかけて作りました~!」


 アメリアと共に食堂に向かう。

 まだ眷属に昇格させる話はしていない。

 丁度王国を全土占領したのだが、まだダンジョンの問題があったからな。

 ダンジョンが全て片付いたら次はアメリアとシャーロットの眷属昇格だ。


 食堂に入るとすぐにいつもの美味しそうな匂いが食堂中に満ちていて、芸術品と言っても過言ではない美しい色合いの食事が綺麗に並んでいた。


 周囲にはメイド隊が待っていて、椅子に案内されて座るとすぐに紅茶や水が注がれる。


「ご主人様。今日は特別に初めてのAランクという事で、フルコース料理というのを作ってみました」


「うむ」


 アメリアから言われた順番で食事を進める。

 前菜から既に前世以上の美味しさで野菜の臭さは最早何一つ感じず、青臭さが全くない。代わりに口の中に広がるのは野菜本来の甘さと甘さを引き立たせるドレッシングで、野菜でも肉と思えるような重厚な食べ応えを感じる。

 水よりも透明なスープはスプーンですくってもすくった事を感じないほどに透明で、口に近づけると一気に旨味の香りが鼻を刺激する。

 口に入れた目視すら難しい透明なスープは、野菜、肉、魚、全ての旨味が濃厚な味が広がっていく。

 今まで感じた事がない旨味に、感動すら覚えてしまう程に美味しい。

 一口サイズに綺麗に切られたサイコロ上のステーキが見た目だけで食欲をそそる。

 フォークで差し込んだお肉から溢れんばかりの肉汁がサイコロステーキを濡らしていく。

 急いで口の中に運んで噛んだ瞬間にお肉の爆発的な美味しさで、たった一切れでも大満足となる食べ応えだった。

 だが目の前に並ぶ全ての料理を平らげないと作ってくれたアメリアに失礼だろう。

 無心で食べ続けていると、いつの間にか目の前の食事を全て平らげていた。


「ご主人様?」


「今まで作ってくれた料理もどれも美味しかった。だがそれすらも前座だと思える旨さ。それは素材だけでなくアメリア自身の極まった調理だからこそ、ここまで美味しいモノができたのだろう。アメリア」


「はい」


「いつも食事をありがとう」


「!? ――――――は、はいっ!」

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