第50話 ダンジョンマスターレベル4

【所有ダンポが500,000を越えております。ダンジョンマスターLvを3から4に上げますか?】


 ん? 急にダンジョンマスターレベルが上げられるようになった?

 天の声さんからダンジョンマスターのレベルを上げるにはダンポと条件が必要だと言ってたよな?

 ダンポ500,000は既に持っていたから、それを思うと何が変わった…………?


 よくよく考えたらフロアを増やしたな。

 という事は、今回の条件はダンポ500,000確保と、フロアを増やせば良かったかも知れない。


 ひとまず、ダンジョンマスターレベルを4に上げよう。


【ダンポ500,000を使用し、ダンジョンマスターLvを4に上げました】




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 『ダンジョンマスターLv4』


 フロア追加(7) …… 120,000

 フロア追加(8) …… 150,000


 Dランク植物生成 …… 100

 Dランク動物生成 …… 1,000

 Dランク鉱物生成 …… 1,000


 Dランクガーディアン生成 …… 500,000


 レーダー&アラーム(3) …… 30,000

 レーダー&アラーム(4) …… 40,000


 農場作成 …… 100,000


 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




 レベル4になった。


 今回一番目を引くのは、間違いなく『Dランクガーディアン生成』である。

 ガーディアン生成という事はレヴィとアスの仲間を増やすって事だろう。

 残念ながら今は300,000くらいしか残っていないのですぐには生成出来ないのが残念だ。


 となるとダンポ500,000が貯まるまでお預けだとして、今回は念願のDランク植物生成が出来るようになった。

 その量はダンポ100とEランクに比べて10倍、Fランクに比べて100倍だが最近は10万単位でダンポを手に入れているから少なく感じたりする。


 まずアメリアの美味しい料理を想像した瞬間、俺は夢中でフロアにある植物エリアの全ての植物を消して、Dランク植物に変えた。


「ご主人様? どうなさったのですかぁ?」


「うむ。レベルが上がったので、植物をランクアップさせたところだ。マリ。みんなに植物のランクが上がったと伝えて来てくれ」


「あ~い! かしこまりました~!」


 最近短いスカートを履くようになった眷属達。

 走っていく姿がとても素晴らしい。


 こほん。


 なんでもないとこに発情していたのでは、ただの獣だ。少しは自重を覚えなくちゃな。


 少しして、アスがやって来た。


「マスタ~☆ レベルアップおめでとうございます」


「うむ。そういえば、アス達も強くなったんだな?」


「はい☆ ますます強くなりました~☆」


「それはよかった。それはそうと、Dランクガーディアン生成が出来るように…………いや、そんな嫌そうな表情をしなくても…………」


「むぅ~次は~そっか。あの子ですね」


「あの子?」


「うふふ~それは解放してからの楽しみですね~そっか~レヴィにも教えて来ます☆」


「ああ。頼んだ」


 それにしてもあからさまに嫌そうな表情なのだが、アスを呼んだ時もレヴィは凄く嫌そうな表情をしていたよな。

 まあ、一緒に暮らすようになったら、そのうち仲良くなるだろう。


「ご主人様! おめでとうございます!」


「アメリア。これからも美味しい料理を頼んだぞ」


「はいっ! お任せくださいっ!」


 いつものエミリアの頭を撫でてあげる。

 最近女の子の頭を触る機会が多いのだが、もしかして女性って頭を撫でられるのが好きなのだろうか?


「そういえば、農場とやらも解放出来るようになったな」


「農場ですか?」


「ああ。ダンポも間に合っているから解放してみよう」


「レヴィ様達を待たなくてもいいんですか?」


「あ~レヴィ達が寂しがりそうだな。待つとしよう」


「はいっ!」




 そこから暫く待っているとレヴィとアスがやってきて、知っていたかのように二人がアメリアを抱きしめてあげた。

 それにしても最近この3人はとても仲が良い。眷属達が仲良くする事はマスターとしても嬉しい事だ。


「マスタ~☆ お待たせしました」


「主様。お待たせしました」


「二人ともご苦労。これから『農場』とやらを解放する」


「「かしこまりました!」」


 農場を解放させると、フロアに全くの変化が見れない。もっと農場っぽい何かが出現すると思ったら、どうなってるんだ?


「マスタ~! どうやら転送で行けるみたいです!」


 ん? 転送という事は、ワープポータルで行けるって事か。

 アスに腕を引っ張られ、ワープポータルに乗り、新たなフロアに飛んだ。




 ◆ ◇ ◆ ◇




 目の前に広がるのは、緩やかな向斜があり、きれいな草がどこまでも果てしなく続いている草原だった。

 真っ青な空と地に広がる美しい草に少しの間見入ってしまう。


「ご主人様。凄く綺麗です」


「ああ。美しい景色だな」


 右手にアス、左手にアメリア、後ろからレヴィが俺を抱きしめる。

 暖かい彼女達の体温と、どこからともなく吹いている優しくも涼しい風にとても心地が良い。

 そのまま俺達は暫く安らかな時間を堪能した。




「マスタ~☆ 変な建物があります~」


 アスが指さしたのは、ワープポータルの後方、緩やかんな坂の頂点部に建てられた広い建物である。

 建物は前世で何度も見た事がある農場の建物そのものだ。

 広がる草原や農場の建物、美しい空がとても良い景色を織りなす。


「では中に入ってみるとしよう」


「「「はい!」」」


 みんなを連れて建物の中に入っていくと、中には牛や馬小屋の場所が数十か所、豚用小屋や鳥用小屋も多数設置されている不思議な場所だった。

 感覚的には小屋同士が沢山並んでくっついている感じか。

 植物もそうだが、木から果物だけでなく野菜もなるとの似た不思議な雰囲気を感じる。


 そういう感想はともかく置いておくとして、建物の中央に不思議なクリスタルのようなモノが置いてあった。

 クリスタルに近づき、ゆっくりと手を出して触れると、目の前にメニュー画面のようなモノが出て来た。


 メニュー画面曰く、こちらの農場には動物生成を設定しておくことによって、定期的に動物を生産し続けるそうで、なんと必要なダンポは――――なしである。

 どうやらDランク動物生成を設定しておくことによって、農場から自動的に動物を生成してくれるらしい。

 これにより、普段から『動物生成』を行わずとも、お肉や動物からの食糧を手に入れる事が出来るようになった。


 中でも牛系列のようにミルクが取れる動物からは自動的にミルクが取れ、鶏のような卵を産む系列は自動的に卵が取れるようになるそうだ。

 なんというか……管理人すら要らない全自動畜産システムとなっている。


 異世界に転生して、釣場も驚いたのだが、この全自動畜産システムには度肝を抜かれてしまった。

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