第40話 ダンジョンマスターLv3
「ん…………ますたぁ……?」
眠っていたアスとレヴィの頭を撫でていると、アスが眠たそうな目をあげる。
「うぅ…………ますたぁ最近元気だから……疲れました…………」
う、うむ……ちょっと自覚はある。
自分がこんなにも性欲が強いとは思いもしなかった。
「ますたぁ?」
「うむ?」
「これからは毎日誰かを送りますね?」
うぐっ。
心を読まれたようだな……。
最近数日溜まると、こうして爆発してしまったりするのだ。
「う、うむ……分かった」
「えへ☆ みんな喜びます☆」
そ、そうだな。
アスがそういうなら受け入れなければな。
◇
玉座に座りモニターを覗くと、これといって変わりのない風景が見られる。
2層には誰も居ず、1層には冒険者達やギブロン街の住民で溢れている。
中には違うグループのはずが、仲良くなったのか一緒に行動している組もいる。
さて、せっかくダンポが貯まったので、ダンジョンマスターのレベルを上げてしまおう。
天の声さん。ダンジョンマスターのレベルは上げられるか?
【所有ダンポが100,000を越えております。ダンジョンマスターLvを2から3に上げますか?】
条件は分からないが、既にクリアしているようで、レベルを上げられそうだな。
ではレベルを3に上げてくれ。
【ダンポ100,000を使用し、ダンジョンマスターLvを3に上げました】
早速新しく覚えたスキルを見てみよう。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
『ダンジョンマスターLv3』
フロア追加(5) …… 60,000
フロア追加(6) …… 120,000
Cランク魔物生成 …… 1,000
Cランク素材ドロップ追加 …… 200,000
レーダー&アラーム(1) …… 10,000
レーダー&アラーム(2) …… 20,000
釣場作成 …… 500,000
ダンジョンルール掲示 …… 0
ワープポータル(眷属) …… 0
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回増えたのは1段階上の魔物の生成と素材ドロップか。
それにしても素材ドロップって相当多いダンポを使うんだな?
それとやっとフロアをもう一つ増やせられるでの、これでアスのフロアを作ってやれる。
余ったもう一つのフロアは色々改造して遊んでみるのもいいかも知れないな。
最近では1層に人が群がり過ぎてる気がするからな。
それにどの道1層で死亡者が出ないのならダンポにもならないので、マップを大まかに改造してみるのもいいかも知れない。
次はレーダー&アラームが2つ。
中身は分からないけれど、ダンポも高すぎず、2つとも解放してしまおうか。
次はこの中で一番気になる釣場生成。
まず使用ダンポが今まで生成できるモノの中では群を抜いて高い。
それ程に効果が高いと予想だれるが、内容から考えて単純に釣りが出来ると考えれば、魚が取れるとなるととてつもない効果だろう。
例えば、植物生成の場合、木から果物だけでなく野菜も成るのを考えれば、この釣場は全ての魚が取れるかも知れない。
でなければ、500,000という高額のダンポを必要とはしないだろう。
なので、一通り完成すれば、釣場は最優先事項だ。
次はダンジョンルール掲示とワープポータル(眷属)の二つ。
どちらもダンポを必要としないので、早速解禁する。
【ダンジョンルールは、ダンジョンマスターが決めたルールをダンジョン入口に表記させます。違反者は『罪』の数値が上昇していきます】
『罪』の数値? それが上がるとどうなるんだ?
【グランドダンジョンに対する『罪』が一定値を超えると『罪人』として判定されます。ルール以外でもダンジョンマスターに対して敵対行動を行った場合『罪』数値が上昇していきます】
例の罪人か…………ん? 敵対行動? それって、ダンジョンに入った時点で俺に対して敵対しているのではないのか?
【ダンジョンに入る目的は人それぞれです。大半の人はダンジョン奥に眠っている秘宝を求めて入るので、『ダンジョンマスターに敵対する』とはなりません】
そういう事か。
誰しもがダンジョン最奥にあるダンジョンコアでダンジョンマスターになれると知っている訳ではないのか。
ただ、何となく『秘宝』という言葉が広まって、ダンジョンに入ってくるのだな?
それと最後のワープポータル(眷属)だが、設置した場所に魔法陣が現れる。
どうやら俺の眷属にしか見えず、侵入者達には見えないようだ。
それと、これの良いところは俺も利用出来る点だ。
今まで外に出ようとすると歩いて行かなきゃいけなかったからな。
各階層の入口に設置して、最下層は中央に設置してアクセスを良くしよう。
まあ、外に出るつもりはないが、こうした方がレヴィ達も良いだろう。
レヴィ達やアメリア達を全員招集して『ワープポータル(眷属)』の件を伝える。
さらにアスに新しいフロアの事を伝えると、とても喜ばれたのだが意外な言葉が帰って来た。
「マスタ~☆」
「うむ?」
「釣場というのを作るのにはまだまだダンポが必要ですよね?」
「そうだな」
「私のフロアは、私の目算ですとダンポ150,000ほど必要となります。ですので、先に釣場を作りたいです☆」
「ん? 良いのか?」
「はい☆ マスタ~と美味しい料理を食べたいのです☆ アメリアの情報ですと魚には元気になれる種類も多いそうですから」
「そ、そうか」
アスとアメリアがそう言うなら……仕方ないか。
ひとまず、レーダー&アラームは試すために一つだけ解放しておこう。
元々530,000あったダンポが、レベルアップで100,000減り、レーダー&アラームで10,000減り、420,000となった。
それとダンジョンルール掲示を使い、ダンジョン内のルールを制定する。
・ダンジョンに対して『魔人』などと扇動する。もしくは参加する。(10点)
・他人を殺害する。(10点)
・他人の持ち物を盗んだり、奪い取る。(5点)
・他人の獲物に横やりを入れる。(3点)
・他人の進行を妨害する。(2点)
・ダンジョン内で淫らな行為を行う。(1点)
・ダンジョン内で手に入った素材を売却する。(1つに付き1点)
今回決めたのは以上の7つだ。
しっかり点数も表記させておくが、この点数が何を意味するのかは明記していない。
今回解放した『レーダー&アラーム』だが、とても有用なスキルで、2つの内容がセットになっている。
まず、レーダーは設置したフロアをマップ化して見れるようにしてくれる。
見る方法としては、頭の中に思い浮かべるだけで見れるようになる。
これは意外にも俺だけでなく、レヴィとアスの守護眷属達にも見れるようだが、あくまで俺が設置した場所が共有されている形だ。
今のレーダーは1層に設置しているので、1層のマップをいつでも思い浮かべる事で覗けるようになっている。
ただし、モニターほど鮮明には見れず、マップに青い点が味方、赤い点が敵、黄色い点が中立者らしく、現在は黄色い点しか存在しない。
そして、大事なのは『罪』を重ねていけば黄色い点が少しずつ赤くなる点だ。
これは俺が決めたルールを違反していくと点数が自動的に貯まるようになり、ダンジョン外の出来事でも禁止されている事も数えてくれるそうだ。
例えば、ダンジョン内で得た食材を街で売ったらそれも1つに付き1点ずつ増えていく。
この点数が10点貯まったら、晴れて『罪人』として認定し、このレーダーに入った『罪人』は、アラームで知らせてくれるようにした。
これをレヴィとアスにも伝えて、もし『罪人』が現れたら、彼らをレヴィの『拷問の館』に連行させる取り決めとなった。
これなら1層でも違反者が出てくれば来るほどにダンポに変えられるという事だ。
これで今回使った110,000を戻しつつ、ダンポ500,000で釣場を目指して運営して行こうと思う。
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