第7話 ダンジョンマスターLv2

 - 侵入者排除により、ダンポ750を獲得しました。-


 - 侵入者排除により、ダンポ750を獲得しました。-


 - 侵入者排除により、ダンポ750を獲得しました。-


 - 侵入者排除により、ダンポ1,440を獲得しました。-


 - 侵入者排除により、ダンポ750を獲得しました。-


 - 侵入者排除により、ダンポ750を獲得しました。-



 ダンジョンで育てた中堅パーティーが2層で全滅して獲得したダンポは全部で5,190。

 正直な感想としては、まさに圧勝。

 うちのモブくん達が頑張ってくれて、中堅パーティーを育てて一気に倒して獲得ダンポが5,000超え。

 これでダンジョンマスターのレベルアップまであと少しだ。


 それはそうと、中堅パーティーだと思った彼らがまさかオーク1体にすら勝てないとは思いもしなかった。

 ひとまず、今はダンジョンマスターLv2を目指して、日々ゴロゴロしていこうと思う。


 現在のダンポは獲得分と残していた分を足して全部で7,790だ。






 あれから俺は毎日不味い食べ物を食べながら、1層を眺めた。

 あの中堅パーティーのようなパーティーは全く現れない。

 それには何かしらの理由があるのか?


 そんな時、とある初心者パーティーが入って来て、うちの1層を随分と褒める。

 どうやらダンジョン1層でFランク魔物だけがこんなに等間隔に配置されているダンジョンはほぼないそうだ。

 いっそのこと、再生時間をあげるのも手かなと思ったけど、復活60分を知っている連中もいたくらいだ。

 彼らをも騙すためには、再生時間は触れないようにする。




 中堅パーティーを倒してから一か月。


 ようやくダンポ10,000が集まった。

 あの中堅パーティーのような当たりが増えてればいいのに……と思うけど、逆にものすごく強いパーティーがやって来られても困るけど……。

 まあ、今までの雰囲気からはそうはならないと思うので、今はまずレベル2に上げてみようか。




【所有ダンポが10,000を越えております。ダンジョンマスターLvを1から2に上げますか?】


 …………。


【所有ダンポが10,000を越えております。ダンジョンマスターLvを1から2に上げますか?】


 …………。


【所有ダンポが10,000を越えております。ダンジョンマスターLvを1から2に上げますか?】


 やっぱり天の声さんって何がなんでも先に進めさせようとするのな!?

 分かりました!

 分かりましたとも!

 ぜひレベルを上げてください!


【ダンポ10,000を使用し、ダンジョンマスターLvを2に上げました】


 天の声さんがそう話すと、俺の身体から虹色の光の粒が溢れ出す。

 これは、みんなが祝福と呼んでいるレベルアップした時に出るエフェクトだ。

 特に自分の身体に変わった点は見当たらない。

 自分自身のレベルとは違うからなのかも知れない。

 ひとまず、ダンジョンマスターのレベルが上がったので、新しいスキルを見てみよう。



 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 『ダンジョンマスターLv2』


 Fランク素材ドロップ追加 …… 10,000

 Eランク素材ドロップ追加 …… 30,000

 Dランク素材ドロップ追加 …… 80,000


 Eランク植物生成 …… 10

 Eランク動物生成 …… 100

 Eランク鉱物生成 …… 100


 Eランクガーディアン生成 …… 100,000


 ダンジョンマスターの命令 …… 0


 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



 Lv1と比べるとずいぶんと量が少なくなっている。

 ただ、今まで欲しがったモノが増えているのが素晴らしい。


 まずダンジョンマスターの命令は、各魔物達に個別もしくは、全体に命令を出す事が出来る。

 これなら1層で魔物を動かし、全滅しそうなパーティーを助けてやる事も出来そうだ。

 彼らには少しでもレベルを上げて貰い、最終的に2層に入って貰いたいからね。


 二つ目は、ガーディアン生成が増えた。

 Lv1ではFランクガーディアン生成というのがあったが、必要ダンポが数倍になっている。

 こちらはどうやら各ランクで1体しか生成出来ないらしい。


 そして一番嬉しいのはEランク植物生成!

 しかも消費ダンポがたったの10!

 あのクソ不味い果物と野菜を一か月も食べていて麻痺しているけど、やっぱり不味いのは不味い。

 転生して一番嬉しいのは、この項目かも知れないな。


 それはそうと、素材ドロップってどういう効果なんだ?


【各ランクの魔物に素材ドロップを設定出来ます。魔物のランクと同ランクの素材ドロップしか追加出来ません、一体ずつ設定する必要があります。確率も自由に設定出来ます】


 思ったよりも必要ダンポが高いが、その効果は絶大なのだろう。

 確率まで調整出来るなら、2層にオークドロップ100%にして、今の2層を3層の罠に移すのもいいかも知れない。


 今のところの目標は、FランクとEランク素材ドロップ追加だ。

 その理由としては、1層の戦力を増やせば、2層の罠に掛けれる確率が増える。

 ただ、それにはダンポが40,000も必要だったりするので、気長に待つ事にしよう。


 それはそうと!

 今回の目玉!

 Eランク植物生成だ!

 残りダンポが丁度50なので、それを使いEランク植物を5つ生成する。


 今回はイチゴが30個、桃20個、ブロッコリー30個、きゅうり30個、きゅうり30個。

 イチゴと桃はまあまあ美味しそう。

 ブロッコリーはどうだろう……それにきゅうりは2つ当たってしまった。


 まずはイチゴと桃を食べてみる。


 ん!?


 Fランクに比べてはるかに美味しい!

 美味しいと言っても、Fランクに比べてだけどな。

 両方ともほんの少しの甘さに強い酸っぱさがある。ただ食えない程ではない。一か月不味いモノを食い続けてきただけに、ちょっとだけど甘さを感じれるだけで美味しい。

 次はブロッコリーときゅうりを食べてみる。

 ブロッコリーは青臭くてこのままでは食べたくはない。


 しかし!

 まさかここに来て、きゅうりがこんなに美味いとは!?

 美味いというか、味がしない。でもみずみずしい!

 これなら不味さを全く感じずに食べれる。つまり、美味しい!


 そういや、あまり気にしなかったが、腹が減ったのと一緒に喉が渇いたとは感じなかったのは、何気なく最初に口にしたのが果物だったから、水分補給もなっていたからなんだな。

 きゅうりがここまで美味しく感じるのには、そういう事も含まれていて、みずみずしさも相まって、水分補給には持ってこいだな。


 せっかく新しい食材をゲットしたので、もう食べる事もないFランク植物を放置したらどうなるのかを検証だ。

 リンゴを取って、玉座の傍に等間隔で並べる。

 丁度10個並べたので、何かあったらこれで分かるはずだ。




 それから三日後。

 検証の結果は、単純に腐った。

 これで分かったのは、木から取れた植物は消える事なく、本来の果物や野菜のように現世に存在し続けること。


 では木になった果物や野菜は一体どうなるのか。

 Fランク植物達を消す前に放置して見た。

 結果的には実がなってから何も起きないという事だ。

 もしやと思い、数時間放置するとFランクでもEランクが上がってくれたりしないかなと淡い期待を込めて待ってみたけど、ただの期待なだけで、味に変化は全くなかった。


 このままFランク植物は捨てるしかないかなと悩んでいたら、天の声さんから【収穫物をドロップ品として登録可能です】と教えて貰った。

 こんなクソ不味い果物を欲しがる人いるのだろうかと思いながら、暇つぶしに入口付近のFランク魔物にFランク植物を拾ってはドロップ品として登録させてみた。


 不思議な事に、ドロップ品として登録すると、1個でも登録した個体からずっとドロップ出来る上に複数ドロップまで設定出来ることに気付いた。

 なので、Fランク植物のリンゴ、みかん、柿、メロンを1層の全てのFランク魔物にドロップ品登録を行う。

 ドロップ率はそれぞれ5%くらいで様子を見よう。これが高いのか低いのかも分からないし、需要があるのか、捨てられるのか、それを見ておきたい。


 せっかくの1層フロアボスのEランク魔物のポイズンフロッグにもEランク植物のイチゴ、桃、ブロッコリー、きゅうりの4種をドロップ品10%ずつで設定してみた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る