第19話 幼い恋心

「どうしよう。領地に一旦帰ろうかしら」


フレデリク様のお屋敷で倒れて、王都にある屋敷で療養していた。


「お嬢様にはゆっくりした時間が大事なのかもしれませんね。私も賛成です」


ジェミーは私の髪の毛をとかしながら答えた。


「もうすぐ昼食になりますね。今日は体調も万全じゃないですし、明日の体調次第で考えてみてはどうでしょうか?」


「そうね、そうする。本当は15歳まで後4年ちょっとしかないから早くしなければって焦るんだけど、結局身体は10歳なのよね。子供って非力なのね」


「いいえ、お嬢様は頑張っておられますよ!ただ『夢』の時間からあまり過ぎてなく何もかも鮮明だからでしょう。あまり焦っても良い結果になるとは限りません。今は療養が大事ですよ」



ジェミーと話していると屋敷の侍女が部屋にやって来た。



「お嬢様、侯爵家のご令嬢のイザベラ様が今いらしているのですが・・・・・・」



「え!?イザベラ様が?それは大変だわ!ジェミー着替えを手伝って、みんなはイザベラ様に粗相がないように応接間にご案内してくれる?すぐに行くわ」




侍女はお辞儀をして慌ててイザベラ様のおもてなしに向かった。



「イザベラ様がアポ無しで来るなんて、急用なのかしら」



「さあ、分かりかねますが、あまり良い感じではなさそうですね。お見舞いならたとえ侯爵家のご令嬢とはいえ連絡を頂けそうなものです」



「それもそうね。フレデリク様の妹だからと安心してたけど、昨日のお茶会を怒ってらっしゃるかも。急いで行きましょう」



部屋着からドレスに着替えて、急いでイザベラ様のところに向かった。



コンコンコン



「イザベラ様お待たせして申し訳ありません。クロエです」




応接間の扉を開けるとイザベラ様はソファにかけてなく、窓際に佇み窓の外をジッと眺めていた。 私の声が聞こえていないようだった。



「イザベラ様?」



ハッと気づいたイザベラ様が私の方に振り向いた顔は泣きはらした目をしていて、今もまた涙が溢れ出そうだった




「クロエ様!」



そう言って私に向かって走って抱きついて来た



「イザベラ様!?」



「クロエ様・・・・・昨日のお茶会は本当にごめんなさい・・・・私は何も出来なくて、私に威厳がなかったから・・・・・・だから・・・・」



イザベラ様が何を言いたいのか良くわからない、昨日の事を謝ってくれたんだと思うけど、イザベラ様は何も悪くない。



「イザベラ様、昨日の私の振る舞いは本当に申し訳なく思っております。なのでイザベラ様が謝るような事は全くないのですが、もし私が倒れた事でしたら、それは私が元々体調が悪かっただけなのです」



イザベラ様は首を左右に振って



「ですが・・・・私が何か悪いから、ルーカス様とのまとまりかけた婚約の話しが白紙なったんです」



「え?」



婚約の話しがなくなったの? 前回は婚約者になっていた。じゃあやっぱりあの手紙は私への好意の手紙って事?



「きっと私では、王太子妃にはなれないと判断されたとしか考えられません。国王様にお会いした時はそんな事おっしゃってなかったの」



あぁどうしよう。第一王子様が何を考えてるのかわからないし、前回とは状況がどんどん変わっている気がする。



「イザベラ様、私には第一王子様のお考えがわかりません。なので1度、第一王子様とお話しされてはいかがでしょうか?」



「そんな事出来ません。ルーカス様は一度も私と将来のお話しなどした事はないのです。婚約は国王様とお父様が進めていただけの事、そこに私達の気持ちなど入っておりません。ですが、私は・・・・・・・・・」



私は少し切ない気持ちになった・・・



「第一王子様をお慕いしてらっしゃるのですね」



イザベラ様はコクンとうなずいた。





私の心の奥がツキンっと痛んだ。

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無知な令嬢に罪があるのなら真実を明らかにしましょう NALI @TONALI

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