食事のあとは蜂蜜入り加密列茶
―― なんか見たことのあるような展開……。
私はカップを彼に手渡して、自分の椅子に座って、蜂蜜入りの
「俺は
―― そうきたか。今回は単刀直入に切り込んできたのね。
私は、もし、
「しばらくの間、ここで妖術士を待たせてもらってもいいか」
「え? でも……」
―― でも、お師匠様はもう三年帰ってきていない
ここで
「い、い、いや、この家に住まわせてほしいと言っているわけではない。こ、この家のそばに天幕でも張ってだな……、そ、そこに寝泊まりしてだな……」
少し口ごもりながら、耳の後ろをポリポリと搔いている。しばらく、目をパシパシさせていたけど、
「報酬はちゃんと払う」
「でも、お師匠様がいつ帰ってくるか保証できないわ」
「構わない」
「でも、お師匠様が貴方の話を聞く保証はないわ」
「それでも構わない」
「でも、ここは森の中で何もないわ」
「狩りは得意だ。頼まれれば、畑仕事も手伝おう」
「でも……」
「俺は、俺にかけられた呪いを解いてもらえる可能性があるのなら、それにかけてみたいのだ」
「でも……」
「水蓮には決して迷惑をかけない。妖術士が戻ってくるまで血の契約を結んでも、鎖をつけても構わない」
「……、わかったわ。報酬も血の契約も鎖も必要ないわ」
「そうか」
すごくほっとしたように、
「甘い薬草茶もなかなかいいものだ。口の中の辛さがほどけていくぞ。この前の生姜入りの
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