ゆきこの離島日記

５６－５９日目（6/8-11）初心者ドライバー

　実に４日ぶりの日記である。ちょっと書く余裕がなくてさぼってしまった。

　６月８日は免許の試験だった。ろくに寝付けずふらふらの状態で、朝早く免許センターに向かい、試験。ゆっくり解いたが２回くらい見直しができた。結果は無事合格。免許証を発行してもらう。写真の人相が悪い。

　フェリー乗り場に向かい、港の食堂でラーメンを食べる。九州らしく豚骨。こちらの豚骨は少しあっさりしている気がする。

　帰ったらへとへとだがチビたちが離してくれない。「寝たら起きれないから」と母も寝かせてくれない。そのまま夕ご飯（リクエストのお刺身だった。「きほた」という聞いたことのない魚）を食べ、ふらふらになりながら洗い物をする。歩いている時も、洗い物をしている時も、時々ふわっと意識がとびそうになる。お風呂で寝落ちしそうだったのでその日は早々に寝ようとした。

　が、疲れているはずなのになかなか寝付けない。焦りながらもぞもぞしている。寝不足でじゃっかんブルーのまま、日付が変わる頃に就寝。

　６月９日。起きれたら母と出かける予定だったが、起きれなかったので置いていかれる。起きたのは１１時ごろ。お昼ご飯を食べた後、買い出しにいくのに車を運転させてもらう。「生きて帰れるかしら」「まだ死にたくない」などと母は祖母に話していた。「ばあちゃんも隣に乗る？」と言ったら必死に首を横にふられた。まるで信用されていない。

　その日はおっかなびっくり運転。教習車以外の車は初めてで、操作性が微妙に違って、ちょっとぎくしゃくする。制限速度をきっちり守っていたら、大名行列みたいになる。「ひいい今日が運転初日なんです勘弁してください」と言いながら車を走らせる。

　夜はおじさんと夜間教習。夜の道は、外灯が全くないせいでひどく暗く、とてもこわかった。

　前職はタクシードライバーだったおじさんに、バック駐車を教えてもらう。その日の昼はいくら切り返してもまっすぐに停められなかったけれど、一時間ほど練習すると、最後の最後にはどうにかまっすぐになった（１０回くらい切り返した）。

　帰ったらその日もへとへとで、すぐに就寝。その日はぐっすり寝られた。

　６月１０日。その日は午前中に起きれた。母が美容室に行くので、私が商店街まで運転していく。運転にも少しずつ慣れてきた。商店街に車をとめ、母が髪を切っている間、私は近くのカフェで待つ。移住者の人がやっているお店で、広報誌などにも載っており、前から気になっているところだった。

　店主の人（若い女の人だった。小さくてかわいらしい人だ）とたくさんお話ができた。出してもらった白桃のお茶と、島で作られているというお菓子（カステラと芋飴）がおいしかった。気前よくお代わりもだしてもらい、移住者の人と色んな話をした。本が好きな人らしく、思いのほか話がはずんだ。旦那さんがライターをしている人だというので、後日あらためてお話を伺うことになった。

　一度お昼を食べに戻り、それからまた買い物へ。その後、祖母の親友であり祖父の妹であるという人に挨拶に行く。

　祖母は親友のお兄さんと結婚したそうである。大恋愛だ。その人曰く、祖母とは中学校からずっと一緒で、青春はうちの祖母抜きには語れない、というほどの仲だったとのこと。その人の兄である祖父と、うちの祖母とがそろって結婚の挨拶をしに来た時は、人生で一番うれしかったと言っていた。

　私は小さい頃にあったきりの人で、正直覚えていなかったけれど、先方は私のことをよく覚えていた。「まあ大きくなってえ」「また会えるとはねえ」としきりに喜んでくれ、色んなお茶菓子を出してくれた。話はとまらず、なかなかの長居になった。帰る頃にはぐったりだった。

　その日も色んな人と話した疲れがあって、倒れ込むように眠ってしまった。

　して６月１１日。やっと今日である。ひどい雨と風。今日は各々学校や予定があり、午前中は久しぶりにのんびりだらだら過ごした。うたた寝をしながらスパイファミリーを読んでいた。やっぱりあれ面白い。アーニャがかわいい。

　お昼のあとは、運転の練習もかね、今日も買い物へ。お目当てはお米。雨はやんでいたが、風が強かったので、なかなかハードな運転だった。途中で前の初心者マークが剥がれてとんでいった。こんなことある！？　とびっくりした。

　ダイソーで初心者マークを買いなおし、母にあれこれ言われながら運転しつつ帰る。

　夜ご飯は、母の同級生だという人と一緒に、珍しく外食。チビたちも一緒。おじさんだけ仲間外れ。バルみたいな、洋風のおいしいおつまみや、ピザやパスタが食べれる店。島にこんなおしゃれなところがあるのかとびっくりした。久しぶりに母の楽しそうな姿をみてすごく安心した。

　やっと日記を書ける余裕ができて、４日分まとめて書いている。

　離島の滞在は、あと１週間を切った。