54-55日目(6/6-7)本土へ
6月6日。台風みたいな風。雨はなし。
卒業検定を無事終了する。教官の人に「運転うまいね」とほめられる。えへへ。
帰ったら「勉強しなきゃなあ」と思いつつスパイファミリーを読む。ジャンプ+で無料だったからつい手が伸びた。テスト前に漫画に手を出しちゃうよくない流れ。予想以上に面白いから困る。登場人物がみんな魅力的。テロ組織の親玉くんがド性癖な見た目をしていてつらい。
その日は卒検合格パーティーで焼肉。祖父母より最初にギブアップして部屋に引っ込む。洗い物大臣のお勤めを果たしたのち、倒れるように寝てしまう。9時半には寝たのに翌朝は8時過ぎまで寝ていた。
6月7日。風もやんで穏やか。
母の悲鳴で目が覚める。
「スマホもってきてスマホ!」と言われ、何事かと思ったら、玄関の網戸にカニがいた。
え、カニ?
小さいサワガニみたいなやつである。海も川も近くにないのになんで? と目を白黒させ、祖父に「表にカニがおった!」と報告しているうちに、カニはどこかへと消えていた。神出鬼没なカニだった。
午前中は免許の写真に備えて髪を切りに行く。ばっさり刈上げにしてもらった。過去イチの短さ。髪色がピンクなので韓国のアイドルみたいになった。
一度お昼を食べに戻り、午後1時、フェリーに乗りに港へ出発。免許センターは本土にあるので、本土までいかないと本免試験が受けられないのである。本土までは高速艇で約90分。疲れが出たのか高速艇では知らないうちに寝ていた。目が覚めるとマスクがよだれでべたべたになっていた。
このごろやけに眠い。体力がないのかしら。
船からは桜島が見えた。本土につき、いざ上陸。
本土は大都会だった。
道路が2車線ある!!
マックもローソンもセブンも丸亀製麺もある!!
すごい!!
2カ月離島で熟成された私には刺激が強い。
ホテルにつき、10分ほど仮眠をとり、ぼちぼちお勉強。お腹がすいてきたので、徒歩圏内の回転寿司やさんにいく。関東ではみたことのない名前の店。ローカルのお店だろうか。
免許とれたらお刺身がいい! と祖母に言ってあるけどお寿司。まあいいか。お寿司は毎日でも食べたい。
入ると、ご飯時には少し早いからか、けっこう空いている。待たされることもなくカウンター席へ。大将がご挨拶してくれてちょっとビビる。youtube見ながら食べるのも申し訳なくて、きちんと食べようと居ずまいを正す。
流れているネタは色々。地魚とか、「クロムツ」とか「イサキ」とか「なんとかダイ」とか、回転寿司ではちょっとマイナーな魚の名前が並ぶ中、「炙りマヨサーモン」とか「エビマヨサラダ」とかが時々あるのが面白い。全国チェーンの店は流れているネタがさび抜きなことも多いが、こちらはさび入り。さび抜き注文には大将への声掛けがいる。
わさび苦手とコミュ障がせめぎあって、コミュ障に軍配が上がる。さび入りをがんばって食べる。食べられなくはないのだ。ないほうが好きなだけで。
せっかくだからと色々な地魚を食べてみる。お醤油は普通のと九州の甘いのの二つ。せっかくだから一貫は普通に、一貫は九州醤油で食べてみる。
100円均一ではないのでちょっとお高いのだけど、一皿一皿に大葉が敷かれている。ネタがどれも大ぶりでおいしい。ぷりぷりである。ホタテ(600円くらいした)を勇気を出して取ってみたら、ネタが人差し指くらいの長さで厚みも1センチくらいあって、やばかった。あら塩とレモンが最強すぎた。
えんがわなんか2枚乗ってた。すごかった。語彙力がけしとぶおいしさ。
九州醤油で食べるお寿司もまた美味なり。
いちばん違いを感じたのは地アジ。港町なだけあってか、関東で食べた時と全然違う……! すごい!
北海道で食べた海鮮もゴージャスな味がして好きだったけど、九州のお寿司もたいへんおいしかったです。
11皿食べて3000円くらい。ちょっとリッチなお夕食にたいへん満足である。人の金で食べるより、自分の金で一人で食べるのが、私は気兼ねがなくて好き。
うきうきな気分で宿に帰る。やはり寿司は全てを解決する。
あとはもう少し追い込みで勉強をするだけ。だけどちょっと眠くなってきている。
明日はめっちゃ早起きをしなきゃである。
起きられますように……。
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