7日目(4/20)取材を受ける

 4月20日。7時半に目が覚めるも、二度寝して9時半に起きる。眠気の覚めない頭で身づくろいをし、ゴミ焼きを手伝いに行き、気付くと11時になっている。

 お昼ご飯にさばを食べ、母と祖父母は買い物へ。おじさんは仕事でチビたちは学校なので、久々に完全に一人きりの時間になる。チビたちが1時過ぎには帰るため、それまでの短い間だが、久しぶりに一人の時間を満喫。

 とはいえ、ゆっくり煙草を吸って、ハチの曲を聞きながら頼まれていた食器洗い(なんと8人分である)をし、少しゆっくりしたところでチビたち帰宅。つかの間の一人時間が終わる。

 それから、母にチビたちの宿題をさせるよう頼まれていたので、自分も一緒に勉強しつつ宿題を見てやる。弟は早々に終わらせ虫捕りへ。妹の日記に書く文を一緒に考えたり、集中力が途切れてぐずる妹をなだめすかしたりしているうちに、母らが帰宅。おやつを食べ、私は部屋へ。


 今日はなんとウェブメディアのライターさんからの取材があった。「毒親から逃れて三年半!大学卒業しましたー!」というツイートが20万いいねを超えたことをきっかけに、「毒親」をテーマに取材をさせてほしいとのことだった。ただの一介の大学生にすぎなかった私が、随分と有名になったものだ。

 初めて受けた取材は慣れないことも多く難しかった。けれど、私の話したことがだれかのためになればこれ以上嬉しいことはないと思う。

 チビたちには「お姉ちゃんはお仕事だから静かにしてね」と言いつけてあったのだが、外で遊ぶチビたちの声が見事にマイクに入る。先方は苦笑。ごめんなさい。


 1時間の予定が通信トラブルがあったり(なんせ離島だ。光回線が入っていないからWi-Fiがザコ)諸々で2時間が経つ。終わるころには夕ご飯も近い。そのままなんだかんだと夕飯の時間になり、終わったら洗い物が待っている。(洗い物は私の係なのだ)

「今日は洗い物多いから、あとで一緒にやろう」と母の言葉に甘えて、テーブルにあったドライトマトなんかをつまみながら少しゆっくりする。「こういうドライフルーツ好きなんだよね」という話から、昔、こんなやりとりがあった話になった。

「ドライフルーツ好きなんだよね」

「へえ、おしゃれだね」

「干し梅とか干し柿とか」

「それちょっと違くない?」

 違くない? とつっこまれたのが私の方である。私としては納得のいっていないエピソードだったのだが、おじさんも母も「間違ってはいないけど、ドライフルーツと言ってぱっと出てくるものとしてはおかしい」と意見が一致。賛同してくれるのは弟だけだった。

 でもでも、干し梅も干し柿もドライフルーツの仲間だと思うんだ。


 そのまま少しゆっくり(=煙草休憩)へ。カモフラージュのためにおじさんを召喚。母もそのうちくるかな、と思いながら、しばらく二人で話す。家族って難しいよねって話。母は実家に帰ってきたくなかったから、ちょっと最近ピリピリしてるよねって話。私の父や、おじさんの父の話。

 かつておじさんには、家出したばかりのとき、「そうはいっても親は親なんだから」となだめられたことがある。そのおじさんが、「もっとひどいクズだったら虐待だって堂々と言えたのにね」という私の言葉に、「立派な虐待だと思うけどね」と言ってくれる。なんだか少しだけ、うれしい。


 さて、今日で離島に来て一週間が経つわけだが、まだ教習所も行っていないのに、毎日家のことやチビの相手やこまごました用事で時間がない。こちらに来たら書き始めようと思っていた長編小説は、まだプロットもできていない。

 土曜からは教習所も始まる。

 明日こそ頑張る。って毎日思っている気がする。

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