6日目(4/19)ばあちゃん、爆走
4月19日。天気は雨模様。今日はカーキ色のワンピースを着たので、頭のピンクとあいまって桜餅みたい。母や祖母に「桜餅くん」「桜餅さん」と言われる。
午前中は昨日より寝坊。もそもそ朝ごはんを食べ、母の掃除を時々手伝ったり、お茶を飲みながら本を読んだり。酒井順子さんの「家族終了」。私の母より少し年上の世代の家族観と、今の家族観とのギャップが、色んなテーマで書かれている。卒論で「虐待と家族愛の倫理」なるものを扱ったので(https://note.com/fujitoko/n/n7a6d4aaca340 で概要が読めます)、家族について語った本があるとついつい手に取ってしまう。
あとは、人生インタビューの質問形式を考える。せっかくこちらに居るのだから、私とは違う親世代、祖父母世代がどんな人生を送ってきたのかを知りたいと、全員の人生録を作ることを目論んでいる。とはいえ、どんな質問をすればいいのかは難しい。「あなたはどんな人生を送ってきましたか?」と尋ねたとして、その人にとって自分の人生なんて「普通」そのものだから。
お昼ご飯にはあごだしのうどんを食べる。癖のないおいしいつゆだった。チビたちが帰ってきてしばらく遊んで、家庭訪問だというのですごすごお部屋に戻る。そのままベッドで寝転がっていたら寝入ってしまった。気づくと午後5時。よほど眠かったらしく、何度かおこしに来た祖母や母からは「眠そうだった」「機嫌が悪かった」と言われる。このごろ睡眠不足なのか、いくら寝ても常に眠い。夜になって訪れる自由時間が嬉しくて、ついつい夜更かししてしまうせいだろうか。
寝ている間に、本土に残していた男から荷物が届く。忘れてきた雑多なものやら請求書やらに加えて、「がんばってます」と書かれた桜のスタンプのTシャツと、ココアシガレット柄のTシャツ(「We support your no-smoking」と書いてある)。
午後6時。外はまだ明るい。車庫で一服しようと咥えたところで、チビたちと祖母ややってきて、慌てて隠す。自転車に乗るそうだ。弟の自転車を拝借し、またがる祖母。「おばあちゃん自転車のれるの?」というと、「のれるよ、高校時代は自転車通学だったんだよー」と言われる。ばあちゃんにも高校生の娘さんだった時代があるんだなあ、と当たり前のことに感慨を覚える。早く祖母の人生について聞きたい。
楽しくなったらしい祖母は自転車で家の周りをぐるぐるしてはしゃいでいた。
居間でのんびりしていると、チビたちが帰ってくる。弟が「走るー転ぶー血がーでーるー」と「走るー走るーおれーたーち」のリズムで歌っていた。その替え歌まだ健在だったのか。変わらない小学生カルチャーになんだか懐かしくも嬉しくなる。ちなみに弟は昨日、紅白帽を縦にして「ウルトラマン」をしていた。「小学生男子」のステレオタイプを生で見れて少し嬉しい。祖父母がゲートボールをしていた時の感動と似ている。
「CCレモン」や「グリンピース」といった遊びもまだ残っているそうな。私が小学生の頃は、「戦争」というものくそ不謹慎なじゃんけん遊びもあった記憶。グーが軍艦、チョキが朝鮮、パーがハワイだ。あれまだやってる子どもいるのかな。
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