第19話 包まれて

夜景のショーには間に合わなかったが2人はフェリーに乗ってキラキラ光る美しい夜景を充分楽しんだ。立って夜景を眺める冴子を瀬戸は愛おし気に後ろから抱きしめ口づけをした。周囲には日本人観光客もいたし多少は奇異な目でみられたが2人はまるできにしなかった。緑やピンクや青や赤で彩られた夜景に包まれながらフェリーのゆったりとした流れに身を任せ夢中でキスを交わした。



バックパッカー用のユースホステルに滞在していた瀬戸を冴子は自らのホテルに誘った。久しぶりの夜だ。

シャワーを浴びて既にベッドに寝転んでいる瀬戸の前に、身を清めてバスローブを羽織った冴子が立ち、静かにバスローブを取り払った。生まれたままの姿になった冴子の身体にはまだ痛々しい傷が残っていたが全てを瀬戸に晒したかった。瀬戸は何も言わずに腕を広げて冴子を呼んだ。冴子は迷いなく飛び込むと「めちゃくちゃにして」と呟いた。

「エッチだな」瀬戸は静かに囁いて冴子の胸にむしゃぶりついた。音を立てて乳首を吸い片手で冴子の胸を激しく揉みしだいた。とろけだした冴子の下半身に指を滑り込ませて

膣の中と小さな蕾を激しく刺激した。冴子はこの刺激をしばらく楽しみたかったがあえなく昇天した。

「また、凄くなってる‥ああ」唾液を舐め合うキスをしながら途切れ途切れに冴子はあえいだ。「抱いたの?私以外の女を‥」

「毎日冴子を抱く夢をみながらずっと1人でしてたよ。冴子以外は抱かないから。冴子のおっぱい飲みたかった」瀬戸はしつこく冴子の乳房を吸いあげる。

「もう飲まれすぎて出ないかも」瀬戸は冴子の下半身を強弱をつけながら音を立てて丹念に舐めたり吸ったりしながら何度も昇天させた。窓辺に立って香港の夜景を見ながら何度も背後から突かれる快感に冴子は何度も気絶しそうになった。力が抜けた冴子を起き上がらせながら胸を揉みしだき瀬戸は攻め続けた。痩せた冴子の身体を対面で抱え上げた状態からも瀬戸は激しく突いた。その後は騎乗位になりながら冴子は激しく腰を振ってまた昇天した。

瀬戸は日に焼け精悍な身体付きだった。体力も有り余っていて、しっかりした硬さを維持し以前のように萎む事はもうない。

「冴子、すごく締まってる。もう出そう‥」

正常位で攻めながら瀬戸もクライマックスを迎えようとしていた。

「あなたの全てが欲しい。お願い」


激しい花火が散るように2人の身体は密着したまま激しく同時に痙攣した。


2人が眠りについた頃、香港の霧に覆われた朝が車のかすかなクラクションと共に白々と明け始めていた。

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ビターミルク 蝶衣 @traiensta

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