第8話:人材不足問題を考える ①

 現代の日本もそうだが、将来的には労働人口の減少という問題が現実化してくる。すると、ほとんどの職種で深刻な人材不足問題に直結する事になる。では、これらの問題を解決するにはどうすることが求められるのかを考えてみたい。


 まず、人材不足とは何なのか考えてみたい。そもそも、人材不足とは読んで字のごとく働く人材が不足している状態を指す。しかし、この人材不足も労働人口の低下が引き起こしている場合と休日など福利厚生や休日などの待遇面でのミスマッチが発生している場合の2つに分かれる。


 まず、前者を考えてみよう。現在、少子高齢化により、子供の人口比率や出生率などを見てもじわじわと年を追う毎に下がっており、このまま低下していくとほとんどの業界が壊滅状態になるか人工知能を含めたオートメーション化を進める方法しか維持する選択肢はなくなってしまう。そのため、その地域や都道府県で考えても出生率の低い傾向が長期化すると相対的に労働人口が減っていくため、大量の失業者や事業規模の縮小による人員整理など労働権の行使や労働者の労働所得の喪失など地域経済に大きな打撃を与えるだけでなく、人的被害も深刻となり、場合によっては家庭崩壊の引き金を引いてしまう可能性も否定できない。


 その他に、仕事を失う=所得がない=子供の子育てにかかる費用が払えなくなるなど養育環境の悪化などが顕著になり、場合によっては都市部などの人口密集地帯などで職を探す人があふれかえるか、自ら起業等で個人事業主として従事するしか方法がなくなる。そうなると、ある一定程度の自由は利くが、結婚や子育てを考えると次のステップへの導線が遅くなっていってしまう。そうなると、全体的に少子高齢化が急速に進んでいってしまう可能性が高い。特に地方部に関しては孤立集落などが自然発生的に進行してしまうことで、地域を支える人が減少していき、周辺の自治体と協力するなど他力借用しなくては運営が困難になる場合も少なくない。そして、それらの状態になった際には市町村合併などを検討する時期に入ってしまう。


 なぜ、少子化が止まらなくなってしまっているのか?それは、経済的な問題もあるが、一番は“相手がいない”という根本的な問題がある。特に若い世代からすると自分の時間を謳歌してから結婚を考える人の増加、結婚の晩婚化が進行しているなど経済面とプライベートを考えての判断をしている場合が多い。そのため、晩婚化が進むと進むだけ子供の出生率は下がり、子供を増やすことではなく、大事に育てるという心理が働くことになる。家庭によっては第1子出産から1年ないし2年間隔で第2子・第3子出産という人や第1子・第2子が双子だから3年間隔で第3子出産を考える人もいる。一方で、早婚している家庭においては所得が不安定の場合も多く、でき婚など子供がいるもしくはおなかの中に宿っている状態で結婚する場合も増えていることからどちらかというと経済的に困窮してしまう場合も多く、そのような家庭を蔑視する風潮もあることからなかなか良い印象が社会通念上に存在していない様に感じる。若年層に子育てをしやすい環境を与えられる状態にならないとこれからの日本は道筋が危険な道になりかねない。

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日本経済が安定するために必要なこと NOTTI @masa_notti

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